在留資格の期間更新を忘れてしまったり、観光目的でぶらぶらしていたら在留期間を過ぎてしまったなどといった理由でオーバーステイ=不法滞在・不法残留してしまう外国人の方もいるでしょう。もしかしたら犯罪が原因の外国人の方もいるかもしれません。

オーバーステイをクリアにしないとすぐに日本に戻ってくることができません。オーバーステイの方はすぐに出入国在留管理局にお問い合わせください。

日本に家族がいるとき

オーバーステイで日本にいるのですから、母国に帰りたくない外国人の方がたくさんいると思います。特に家族、日本人と結婚した外国人の方は夫婦ともに日本での生活を続けることを望まれるでしょう。

日本人の家族の方もお相手が出入国在留管理局に出頭すると収容されて離れ離れになってしまうのではないかとご心配されることだと思います。

しかし出入国在留管理局に出頭をしないで捕まってしまうと心象が悪くなり、今後の対応が後手後手に回ってしまいます。

出入国在留管理に捕まると、以下の手順で退去強制の手続きが進みます。

  1. 引渡→逮捕後、入国警備官から入国審査官に身柄を引き渡されます。
  2. 違反審査→入国審査官が退去強制に該当するか審査をします。
  3. 口頭審理→容疑者が入国審査官に異議の申し立て、または在留の特別許可を認めるよう申し出ます。
  4. 異議の申出→最終的な判断を法務大臣に求めます。
  5. 法務大臣の裁決→法務大臣が異議の申出に理由がないとした場合は退去強制令書を発付します。

退去強制を受けた者は日本に5年間上陸できません。オーバーステイの外国人の方は必ず出入国在留管理局に出頭し、今後の対応について相談をするべきです。事情によっては在留資格更新・変更を受け付けてくれます。

しかし、どうしても退去強制になってしまうケースがあります。その場合は在留特別許可の可能性がないか検討をしなければいけません。

在留特別許可とは

在留特別許可とは、先ほどの手順の6番目に行う手続きです。

6.在留特別許可→法務大臣は、異議の申出に理由がないと認める場合でも、次のような場合には、在留を特別に許可できるとされています。この法務大臣の裁決の特例が、在留特別許可です。

次のような場合とは、

  • 永住許可を受けているとき
  • かつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき
  • 人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき
  • その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき

日本人(永住者)と結婚された外国人の方は「その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき」に含まれると考えられています。人道上の理由により、法務大臣が在留許可を出す、それが在留特別許可です。

提出書類は「日本人(永住者)の配偶者等」と同じですが、よりきめ細かい説明と反省文が必要になります。

在留特別許可は法務大臣によって決められますので、法律で許可の要件が決まっていません。そのため”申請”とはいわず”願出”、”申出”といわれます。法務省のホームページにガイドラインは掲載されていますが、個々の案件で事情が異なり正解はありません。

十分な書類を用意し、在留特別許可を願出ても不許可になるケースがあります。その場合、5年間は愛する人と会えなくなってしまうのでしょうか。

在留特別許可が不許可になったとき

在留特別許可が不許可になったとき、打てる手は2つあります。

  • 行政取消訴訟を行う
  • 上陸特別許可を願出る

行政取消訴訟は法務大臣の決定を取り消すための裁判です。法務大臣の決定を取り消し、日本に滞在できるようにします。しかし行政の決定を取り消すことはほぼ不可能であり、大変難しい手段だと考えます。

上陸特別許可の願出は現実的な解決方法ではあります。普通、退去強制を受けた外国人の方は5年間日本に上陸できません。しかし上陸特別許可が下りる2年後、在留資格認定証明書の許可を得ることで上陸の許可を特別に得ることができます。

在留特別許可と同じような書類が必要ですが、法律で要件は決まっていません。普通の在留資格認定申請書とは違ったきめ細かい証明が必要になります。

この方法は退去強制の5年が2年に短縮されますが、2年間会えない日々が続くことに変わりはありません。やはり在留特別許可が取れるように尽力すべきです。

行政取消訴訟を考えて最初から弁護士に相談することも良いことかもしれません。行政書士は訴訟に立ち会うことができません。しかし行政訴訟で勝てる見込みは薄く、裁判になると大変な労力を消費します。申請を行政書士に、裁判を弁護士に依頼してもいいのですが、担当が変わると一貫した主張が難しく、また余分に費用がかかるかもしれません。

行政書士に依頼をするのか、弁護士に依頼をするのか、専門家に依頼することは決して安くはありません。納得してから契約を結ぶべきだと考えます。

一番いいことはオーバーステイにならないこと、日本で犯罪をしないことです。
在留資格の更新は3カ月前から申請できます。忙しく自分で申請できないときは取次申請のできるJOY行政書士事務所までお問い合わせください。

諸事情によりオーバーステイになってしまったときもJOY行政書士事務所までお問い合わせください。出入国在留管理局の出頭の同伴から在留特別許可の願出まで一括して承ります。