令和2年3月27日に法務省から『新型コロナウイルス感染症の拡大防止に係る上陸拒否について』が発表されました。上陸拒否に該当する地域は今後拡大していくかもしれませんので法務省の発表で確認をしていただくこととし、この上陸拒否と再入国について考えます。

上陸拒否

”上陸拒否”とは退去強制や出国命令を受けた外国人が5年間(退去強制)、1年間(出向命令)日本に戻ってくることができないときに聞く言葉です。そのため今回の上陸拒否でも在留資格を持っていれば、適切に日本に滞在をしている自分たちは上陸拒否にならないのではないか、と考える外国人の方がいらっしゃいます。

在留資格申請の審査項目といえば”在留資格該当性”と”上陸許可基準”(更新、変更申請のときは”在留状況”も含まれる)です。そのため在留資格をすでにお持ちの外国人の方は”上陸許可基準”をパスしているので日本を出国しても戻ってくることができる、とお考えかもしれません。

しかし、これは違います。

今回の上陸拒否は、

入管法第5条「十四 前各号に掲げる者を除くほか、法務大臣において日本国の利益又は公安を害する行為を行 うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者」

に規定されている上陸拒否が当てはまります。在留資格申請の際に審査をされた上陸許可基準とは別のものですのでご注意ください。在留資格を持っていても、永住者であっても日本に上陸をする14日前に上陸拒否に該当する地域に滞在したことがある外国人の方は日本に上陸することができません。

再入国

しかし”自粛要請”が出ている今の日本では経済活動のほか、日常生活もままならずいったん母国に帰国したい方もいると思います。そのときは再入国の期限と在留期限にご注意ください。

日本に再入国する方法は2通りあります。

  1. みなし再入国
  2. 再入国手続きを取った再入国

1のみなし再入国は1年以内に日本に戻ってこられる方を対象とした再入国手続きです。簡易的な手続きですので、出国する空港で行うことができます。

2の再入国手続きを取った再入国は、出入国在留管理局で申請をします。5年以内に日本に戻ってくれば問題がありません。

今回のケースで出国する場合、みなし再入国ではなく再入国手続きをしっかりと取ってから出国することをおすすめします。残念ながら、新型コロナウイルスの影響がいつまで続くかわかりません。みなし再入国で出国した場合、1年以内に日本に戻ってこなければいけません。1年以内に上陸拒否がなくなっているのか誰にもわかりません。5年間も必要ないかもしれませんが、念のために再入国手続きを取られてから出国してください。

出国中に在留期限がすぎてしまった場合、申請書と受入機関作成の理由書のみで在留資格認定交付申請を受け付けているようです。日本に戻ってこられない外国人の方は会社にお伝えください。

また出国中に会社を解雇された方は在留期限が残っているのでしたら日本に戻ってくることはできます。会社を解雇されて3カ月以内でしたら在留資格は取消されませんので、早急に日本に戻ってきて新しい会社を探してください。

まとめ

「短期滞在」などで日本に滞在をし、帰国が困難な外国人の方には「短期滞在30日」の更新・変更の許可が出ています。日本から出国するのか、日本に残るのか。難しい判断となりますが新型コロナウイルスが治まった後も日本で生活ができるように法律をお守りください。

また出入国在留管理局など人混みを避けられたい方はJOY行政書士事務所までお問合せください。