今まではタイやベトナムなど一部の国でしか認められていなかったレジデンストラックが、10月1日をもって在留カード、在留資格認定証明書を持っているすべての外国人に認められるようになりました。

外国人留学生や家族滞在者の入国も可能です。しかしレジデンストラックは手続きも複雑で、受け入れ先の責任も重大です。

※ビジネストラックや日本滞在が7日以内の短期出張外国人は14日間の待機期間が免除されると発表されました。(10月30日)
刻一刻と情勢が変わりますので外務省のホームページとあわせてご確認ください。

レジデンストラックの手続き

1.在外公館での査証発給等申請 (誓約書等の提示)

まず日本に来るためには在外日本大使館でビザの申請(査証)を受けなければいけません。

  • 査証申請書
  • パスポート
  • 在留資格認定証明書
  • 誓約書(外国人レジデンストラック) コピー2枚

以上の書類が必要です。査証申請書などは在外日本大使館にお問い合わせください。また現在は感染防止のため個人で大使館に申請ができず、仲介会社を利用しなければいけないかもしれません。大使館のHPから確認をしてください。

「誓約書」の注意点

「誓約書」は受け入れ先が記入します。受け入れ先とは外国人が働く企業や学校などの法人です。在留資格「家族滞在」で来日する場合、受け入れ先は家族になってしまいますが、配偶者などの個人は「誓約書」にサインができません。
そのため「家族滞在」で家族を日本に呼び寄せるときは働く会社や学校、または会社を経営している友人(自分が働いていなくても大丈夫です)に「誓約書」のサインをお願いをしてください。

PDFでもかまいませんので記入した「誓約書」は外国人に送り、ビザ申請のときにコピー2枚を日本大使館に提出します。1枚は返却されますので、来日の際に忘れないように持ってこなければいけません。

”対象者の訪日目的が真に急を要し、必要不可欠なものであること”は受け入れ先の働き手不足だったり人事計画、入学の時期、家族滞在などの人道上の理由かと思われます。

また「誓約書」に書かれていますが、外国人は来日時にスマホで位置情報の提供や保健所の調査に協力しなければいけません。その同意書を外国人と受け入れ先で書面にします。この書面は提出義務はありませんが、入国時の対応がスムーズにいくように受け入れ先が前もって位置情報の提供などについて外国人に説明をしていなければいけません。

受け入れ先は「誓約書」の原本を6週間保管し、官公庁に求められた際は提出します。

「レジデンストラック 誓約書」と検索をすればPDFのデータが検索できます。

2.検査証明の取得等

外国人は日本に来る14日前から検温をします。検温の結果は在外日本大使館などに提出する必要はありませんが、飛行機の中で配られる「質問書」に書きます。

PCR検査は出国72時間以内に受けます。陰性であることを証明する「検査証明」が必要です。「検査証明」のフォーマットは外務省のHPからダウンロードできます。

任意の証明書も認められていますが、
(1)人定事項(氏名、パスポート番号、 国籍、生年月日、性別)
(2)COVID-19の検査証明内容(検査手法(上記フォーマットに記載されている採取検体及び検査法に限る)、検査結果、検体採取日時、検査結果決定年月日、検査証明交付年月日)
(3)医療機関等の情報(医療機関名(又は医師名)、医療機関住所、医療機関印影(又は医師の署名))
が必要です。「検査証明」に不備があり入国できなかったという声もあります。お気をつけください。

また民間医療保険(日本に来るための海外旅行保険みたいなもの)に加入しなければいけません。これは日本の国民健康保険などの公的な健康保険に加入するまでのつなぎのために必要です。外国人は14日間隔離生活をする必要があるため、代理人が申請をすれば別ですが、すぐに日本の健康保険に加入できません。そのため万が一の医療保険として民間の医療保険に加入します。余裕をもって1か月ほど加入すれば間に合うでしょうか。

3.空港での検疫・入国審査

空港に着いたら日本大使館に提出した「誓約書」と飛行機の中で書いた「質問書」、母国で行った「検査証明」を提出します。

LINEや接触アプリCocoaのダウンロード、スマホの位置情報提供サービスをOnにします。これらを拒否する場合は入国拒否とされる可能性があります。受け入れ先は外国人が来日する前に同意書を交わし、しっかりと説明してください。

また以上のことを行うために外国人はスマホを持ってこなければいけません。海外のスマホでもLINEやCocoaはダウンロードできますが、LINEを使うためには日本語に対応していたり、場合によっては日本の携帯電話番号が必要です。もし外国人が日本対応のLINEを使えない場合は受け入れ先の責任者の電話番号が必要になります。「質問書」などに責任者の電話番号を書く場合もあります。責任者の携帯電話番号を事前に伝えてください。

4.行動範囲限定下での活動

日本に来た外国人は公共交通機関を利用できません。受け入れ先が自家用車、社用車、レンタカーやハイヤーで迎えに行きます。タクシーは利用できません。

滞在先についた外国人は来日後14日間は隔離生活を送ります。毎日LINEを使って厚労省に健康状態の報告をします。報告は本人でもかまいませんが、責任は受け入れ先が負います。報告に不備があると会社名(学校名)の公表、報告を怠った外国人の退去強制(帰国)、今後受け入れ先が受け入れる外国人が入国できなくなる可能性もあるため、受け入れ先の責任者が報告することをおすすめします。

あわせて14日間Cocoaの使用や位置情報を保存する必要があります。

まとめ

商用目的の短期滞在者が利用するビジネストラックでは、さらに在職証明書、招へい理由書、身元保証書が必要です。

シンガポールは手続きや必要書類も変わってきます。

「日本人の配偶者等」や「永住者の配偶者等」ではここまで書類が必要ありません。在外日本大使館にお問い合わせください。

このように、個々の事情によって手続きや必要書類が変わってきます。書類の不備があるとビザが不許可になるかもしれません。日本に来たのに空港から出られないかもしれません。報告義務を怠って帰国させられるかもしれません。

大変な時期ではありますが、しっかりとご準備をして呼び寄せてください。