外国人留学生の就職担当の最初の仕事は、留学生に日本の就職活動を説明することです。

ベトナム、ネパールなどの海外では学校を卒業してから就職活動が始まります。就職先は親戚の紹介、新聞の広告から探しているようです。

外国人留学生は母国とは違う就職活動について勉強をし、SPIなどの就職試験を受けなければいけません。

残念ながら外国人留学生の7割近くは日本の就職活動を理解せず、卒業間際になってアルバイト先の店主にここで働くことができないか泣いて頼みます。

アルバイト先は戦力として活躍していた外国人留学生なら大丈夫だろう、人材不足で願ったりかなったりだと安請け合いをしてしまいますが、アルバイトのころと同じ仕事では業務内容と学習内容が不一致のため「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が不許可になります。

しかし、そもそも外国人留学生に対して求人数が少ない現状、アルバイト先で就職することは悪い手段ではないと思います。アルバイトをインターンシップのように考え、就職ができ、在留資格の許可が取れるアルバイト先にすればいいのです。

アルバイト先で就職する

外国人留学生が多くアルバイトをしている業種をピックアップし、就職先として在留資格の許可が取れるか考えていきます。

コンビニ

いまではコンビニのアルバイトはほぼ外国人留学生がしています。授業との兼ね合いもありますので深夜に働けるアルバイトは留学生に人気です。

アルバイト先のコンビニで就職する外国人留学生はたくさんいますが、在留資格の許可は少ないと思います。

まずコンビニといっても、実際はコンビニを経営するフランチャイズに就職します。本部の営業や広報、また本部直営店でもありません。フランチャイズの経営はオーナーを社長とする家族経営の会社が多いのが実情です。会社の規模は必然的に小さくなります。

「技術・人文知識・国際業務」ではアルバイトと同じ仕事はできません

業務内容としてはアルバイト管理、商品管理などのマネジメント業務が考えられますが、規模が小さい会社では安定的・継続的な業務量があるのか出入国在留管理局から指摘されます。結局レジや品出しの仕事をするのではないのか、と疑われるわけです。

外国人留学生がコンビニでアルバイトをするなら、オーナーにほかにいくつコンビニを経営しているか聞く必要があります。たくさん経営しているなら将来そこの会社で在留資格の許可が取れるかもしれません。

飲食店

コンビニに次いで外国人留学生に人気があるアルバイト先です。まかないがあれば生活費も浮きます。飲食店も外国人留学生が就職するアルバイト先です。

「技術・人文知識・国際業務」ではキッチン・ホールの仕事はできません。メニューの翻訳やお客様の通訳、将来の店長候補となるマネジメントなど専門性の高い業務が必要です。

しかし飲食店も個人経営のお店からフランチャイズのお店、本部直営のお店があります。会社の規模の確認が必要です。

本部直営のお店でアルバイトが決まったら店長やエリアマネージャーに、いつごろから就職試験が始まるのか、どのような試験なのか、いろいろと聞いてください。就職のヒントを教えてくれます。

飲食店は人手不足で困っています。その分大変な仕事ですが、アルバイトをインターンシップと考え、飲食店のお仕事が好きになった外国人留学生はそのまま就職するのもいいかもしれません。

ホテル

高い日本語能力、英語能力が求められるホテルですが、外国人留学生の人気は高いです。
特にホテル業はネパール人留学生に人気です。ネパールはエベレスト山脈など観光業が盛んなため、日本のホテルで働いてノウハウとお金を貯めて、それから母国に帰って自分のホテルを経営する。そんな夢を思い描く留学生がたくさんいます。

しかし前述したようにホテルで働くには高い能力が求められます。応募人数に比べて就職できる留学生は一握りもいません。

そのためホテルでアルバイトをすることはとても大切だと思います。企業によってはアルバイトをしている留学生の就職試験を免除してくれるようです。アルバイトはベッドメイキングなど単純作業で大変ですが、ホテルで就職できるならアルバイトをする価値があります。

まとめ

外国人留学生にとって日本で働くことは死活問題でもあります。残念ながら、日本で働くことを目的として留学する外国人の方がほとんどです。その割に就職活動をしない留学生がほとんどなので困ったものですが。

今後専門学校はアルバイト先からコントロールをして外国人留学生の就職に結びつけていくのはいかがでしょうか。外国人留学生の数に対して求人数は圧倒的に足りません。

留学生にとってアルバイトをすることは、インターンシップの代わりになり、また就職活動の負担が少なくなると考えられます。

就職先の企業も外国人留学生がアルバイトをすることで人となりがわかり、採用の負担が減ります。

三者が協力し合うことで留学生のオーバーワークがなくなっていきます。

アルバイト先で簡単に就職をして在留資格が不許可になる。このような外国人留学生は減らしていくべきです。

外国人留学生がアルバイト先に就職することがいいことになることを願います。