10月にもなると内定が出そろい、そろそろ一安心している外国人留学生も多くなってきたでしょうか。就職活動を終えて卒業の準備が始まります。大学生なら卒論が佳境に入りますし、専門学校生ならまだまだ授業が続きます。

しかし忙しかった就職活動が終わりひと段落していた外国人留学生も、もう一度ギアを入れ直さなければいけません。就労ビザの申請が始まります。

いつから就労ビザの申請ができるのか

すでに内定先が決まっているのですから、いつでも就労ビザの申請をしてもいいと思いますが、残念ながらできません。就労ビザの要件には”学歴”があります。そのため新卒だと学歴要件を満たすまで、卒業間際まで就労ビザの申請はできません。

では、学歴要件を満たす卒業間際とはいつまででしょうか。

答えは、12月です。

新卒の外国人留学生は12月から就労ビザの受付が始まります。12月になればだいたい卒業のめどは立ちます、と出入国管理局は考えているようです。そのため12月にならないと就労ビザの申請はできません。

12月に申請を出すと1月・2月に出入国管理局から追加資料の手紙が届きます。申請書に不備があるとこの時期に不許可がわかります。早く申請をすれば追加資料を求められたり不許可になってもリカバリーができますし、リカバリーができなくても新しい会社を探す余裕があります。

すでに内定が決まっている人は12月に申請ができるように早めの10月ぐらいから準備を心がけましょう。

なぜ10月から準備が必要なのか

就労ビザ=「技術・人文知識・国際業務」を申請するためには内定先に資料を用意していただく必要があります。

法務省のホームページに掲載されている資料だけでは足りません。出入国管理局に求められていない資料も積極的に提出します。

特に用意しておいた方がよい資料があります。

  • 雇用理由書
  • 人事計画書
  • 外国人雇用者名簿
  • 外国人利用客数

雇用理由書

雇用理由書はすべての業種に必要な書類です。なぜ申請人を雇用するに至ったのか、その経緯の説明、会社の業務内容の説明、申請人の学習内容に合った業務内容の説明をします。
申請書では最低限のことしか説明ができません。すべての在留資格で出入国管理局に理由書を提出します。就労ビザも同じです。

人事計画書

人事計画書は飲食業のときによく提出します。飲食業の場合、店長候補で申請したとはいえキッチン・ホールの業務をするのではないかと出入国管理局から指摘が入ります。もちろんキッチン・ホールで仕事をすることもあるでしょう。しかしそれは店舗業務を覚えるためで、将来的に店長になるための業務だと説明する必要があります。そのために人事計画書を提出し、会社としてどのような研修を行っているのか、何年後に店長になるのか説明をします。

外国人雇用者名簿

外国人雇用者名簿は工場など技能実習生の管理業務に就く場合に求められます。技能実習生に対して何人の管理者が必要なのか、人数の正解はありませんが技能実習生の人数に対して管理者の人数が多いと不許可になります。

これは就労ビザの許可要件に業務の継続性、安定性があるためです。技能実習生の人数が少ないと業務の継続性、安定性に疑義を持たれます。空いた時間に単純作業をさせるのではないかと出入国管理局に疑われます。

同じようにホテル業で外国人留学生を雇用したときに外国人利用客数の提出が求められるときがあります。外国人利用客が少ないのに通訳・翻訳業務で留学生を雇う必要があるのか、ネパール人観光客が少ないのにネパール人を雇う必要があるのか指摘が入ります。また欧米人の観光客に対応できるように英語の能力を求められるときがあります。

まとめ

ホームページで掲載されている書類だけでは追加資料を求められ、対応が遅れてしまいます。

10月から専門の行政書士に依頼をし、12月の申請に間に合うように書類を準備する必要があります。

必要な書類は個人によって変わります。会社の人も忙しく、すぐに書類を用意できないかもしれません。

新卒者として4月から働くことができるように、外国人留学生は自分から積極的に就労ビザの申請のために動いてください。