留学ビザの更新が不許可になった外国人留学生からの問い合わせが数件ありました。
留学ビザが不許可になった留学生は必ず帰国をしなければいけないのか、留学ビザが不許可にならないためにどうすればいいのか、万が一留学ビザが不許可になったらどうすればいいのかを考えます。

なぜ留学ビザの更新が不許可になるのか

すべての在留資格・ビザの更新の際に出入国在留管理局が審査をするポイントは3つあります。

  • 在留資格該当性
  • 上陸許可基準
  • 狭義の相当性=在留状況

在留資格該当性と上陸許可基準は在留資格認定証明書を申請するときにも審査をされています。
留学ビザの場合、在留資格該当性は日本の学校に通っていること、上陸許可基準は生活支弁能力になります。学校を辞めない限り留学ビザの更新が在留資格該当性や上陸許可基準の理由で不許可になることはありません。

留学ビザが不許可になるケースは狭義の相当性=在留状況が不良だと判断されたときです。出席率の悪さやオーバーワークのせいで更新が不許可になります。

オーバーワーク=不法就労は入管法で禁じられている犯罪行為です。在留資格申請書の1ページ目に犯罪歴を書く欄がありますが、在留資格は罰金刑でも在留状況不良と判断されます。永住権を目指す外国人の方は交通違反でさえ申請の際に不利になりえます。

2年の留学ビザの最中にオーバーワークをしていても捕まらないため外国人留学生はオーバーワークを甘く見ていますが、更新の際に不許可になるだけです。警察や出入国在留管理局に捕まらないから何をしてもいい、というわけではありません。

留学ビザが不許可になったとき

留学ビザが不許可になると学校を退学しないといけません。在留期限が残っている場合は3か月以内に、在留期限がない場合は30日の出国準備期間の「特定活動」中に帰国しなければいけません。

しかし2度と日本に戻ってこられないわけではありません。新しい在留資格の許可が出れば日本に戻ってこられます。
在留資格認定証明書を申請すればいいのです。

ビザの更新は不許可になったのに、どうして認定証明書の申請は許可が出るのか。それは更新と認定では審査のポイントが違うからです。

更新では、在留資格該当性・上陸許可基準・狭義の相当性=在留状況が審査されるのに対して、
認定では、在留資格該当性・上陸許可基準のみが審査されます。

これは当たり前の話で、建前上認定申請は初めての申請です。日本に初めて来るのに在留状況が審査される(審査できる)はずがありません。

そのため留学ビザが不許可になったときは在留資格認定証明書を申請し、素直に帰国をしてから結果を待つべきです。オーバーステイ(不法滞在)で捕まった場合、5年間は日本に戻れなくなります。

外国人留学生の間ではオーバーワークをしても6カ月後に認定申請をすれば日本に戻って来られる、といった都市伝説がありますが、更新が不許可でも認定申請で許可が取れるのは上記の理由です。すぐに認定申請をしても問題はありませんが、書類の準備などに時間がかかり許可が取れるのがだいたい6カ月後なのかもしれません。

認定申請には各個人の事情がありますが、留学生同士で結婚をしている人は「家族滞在」、日本人と結婚をしたなら「日本人の配偶者等」で認定申請をします。
帰国準備中に運よく内定が出た留学生は「技術・人文知識・国際業務」で、技能測定試験に合格したときは「特定技能」で認定申請ができます。もちろん「留学」の認定申請をして学校に戻ることもできます。

しかし認定の結果が出るまでに2、3カ月かかります。結婚をしている場合、一度帰国をすると長期間離れて暮らさなくてはいけません。夫婦二人にとってはそれさえも我慢ができないかもしれません。
その場合は出入国在留管理局に行政相談をし、オーバーワークで留学ビザが不許可になったが出国準備期間の「特定活動」から結婚のビザに更新をしても問題がないか確認をする必要があります。
オーバーワークのためこの方法はまず許可が取れないと考えるべきですが、ひとときも離れたくない夫婦もいるでしょう。夫婦二人で話し合って決めてください。

帰国ができないとき

新型コロナウイスルのために帰国ができないときは帰国困難者の「特定活動」に在留資格を変更します。「特定活動」に変更をすれば週28時間のアルバイトができますので、日本にいる間に生活に困ることもないと思います。

帰国ができなくて、お金に困っているときは学校を辞めた後すぐに在留資格を変更してください。「特定活動」で日本にいる間に結婚をしたり、就職が決まればほかの在留資格に変更して、帰国をしないで日本に残ることができるかもしれません。

当事務所にできること

オーバーワークは犯罪です。犯罪をした外国人は在留資格の申請のとき大変不利になります。そのことを忘れないでアルバイトをしてください。

JOY行政書士事務所では専門学校の進路指導を担当していた行政書士が相談を承ります。更新はムリでも認定で許可が取れるかもしれません。
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