学生結婚で配偶者ビザを申請したいけれど、収入がなくて不安という方は多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、学生結婚をされたご夫婦が退学と一度の不許可を経て2回目の申請で配偶者ビザの許可を取得できた事例です。
この記事では学生結婚での配偶者ビザ申請の難しさと、収入が少ない場合でも許可を取るための具体的な対策方法を解説します。
学生結婚での配偶者ビザ申請|今回のケース概要
ご夫婦の状況
- 日本人配偶者:学生
- 外国人配偶者:配偶者ビザを申請
- ご夫婦とも専門学校を退学
- ご両親のサポートあり
- 1回目:不許可
- 2回目:許可
学生結婚での配偶者ビザ申請の課題
学生結婚の場合、以下の理由で配偶者ビザの審査が厳しくなることがあります。
- 日本人配偶者に安定した収入がない
- 将来の生活基盤が不明確
- 学生の身分では継続的な収入が見込めない
今回のケースでは、さらに退学という事情が加わり、より慎重な説明が必要でした。
1回目の配偶者ビザ申請|不許可になった理由
提出した書類
1回目の申請では、ご両親のサポートがあることを中心に説明しました。
提出書類
- ご両親の課税証明書
- 身元保証書
- ご両親からの支援の意思を示す資料
なぜ不許可になったのか
親の支援だけでは不十分と判断されるケース
ご両親の支援があっても、以下の理由で十分と判断されない場合があります。
- 世帯が別の場合
ご夫婦とご両親が別居していると世帯が別と判断され、親の支援は一時的なものと見なされる - 将来的な自立の見通しが不明確
親の支援はいつまで続くのか、ご夫婦が自立できる見込みはあるのかが不明確 - 学生という不安定な身分
学生は収入が不安定で、卒業後の就職も確実ではない
今回のケースでは、退学という事情も加わり、将来の安定的・継続的な生活を証明するには不十分と判断されました。
2回目の配偶者ビザ申請|許可を取るための3つの対策
対策1:申請人がアルバイトを決める
不許可後、申請人がアルバイトを見つけました。
提出した書類
- アルバイトの雇用契約書
重要なポイント
学生や収入が少ない場合でも、以下を示すことが重要です。
- 安定的に働く意思
- 働く能力があること
- 継続的な収入の見込み
収入額の多さよりも、「将来的に自立した生活ができる見込み」を示すことが大切です。
対策2:将来の生活計画を具体的に説明
提出した内容
- 申請人ご夫婦の収入:月額○○円
- ご両親の収入:月額○○円(または一時金)
- 今後の生活について(退学後の進路について)
説明のポイント
配偶者ビザは「許可後の生活」を審査されます。つまり将来のことです。
将来、日本で安定的・継続的に生活ができる計画を具体的に説明することが重要です。
対策3:裁判所の判決を入管に提出
配偶者ビザの審査において、生活費の問題について裁判所は明確な見解を示しています。
経済的基盤の有無は、当該外国人が本邦において行おうとする活動が日本人の配偶者の身分を有する者としての活動に該当するか否かを判断する上での一事情に過ぎないと解される
東京地裁平成23年9月8日判決
この判決の意味
- 経済的基盤(生活費)は配偶者ビザの絶対的な許可条件ではない
- 「日本人の配偶者としての活動」に該当することが本来の審査基準
- 生活費は判断の「一事情」に過ぎない
この裁判例を提出することで、法律上の正当性を主張しました。
提出の仕方
- 判決文のコピー
- 判決の解説と今回のケースへの適用
- 入管法第5条第3号との関係性の説明
これらの3つの対策により、2回目の申請で無事に許可を取ることができました。
配偶者ビザと生活費の関係|法律上の考え方を理解する
配偶者ビザの許可条件は1つだけ
多くの方が誤解していますが、配偶者ビザの本来の許可条件は以下の1つだけです。
「日本人の配偶者として日本で活動すること」
これを法律用語で「在留資格該当性」といいます。
在留資格該当性とは
日本で在留資格に該当する活動をすること、つまり「日本人の配偶者としての活動」をすることで配偶者ビザは許可されます。
生活費は許可条件ではない
日本での生活費や収入は、法律上、配偶者ビザの直接的な許可条件ではありません。
では、なぜ生活費を審査されるのか?
入管法第5条第3号に以下の規定があるためです。
貧困者、放浪者等で生活上国又は地方公共団体の負担となるおそれのある者
入管法第5条第3号(上陸の拒否)
この規定により、公共の負担になる可能性がある場合は上陸を拒否できるとされています。
収入は在留資格該当性に含まれないが審査される矛盾
法律上の建前
- 生活費は配偶者ビザの許可条件ではない
実際の審査の現実
- 生活費について厳しく確認される
- 収入証明の提出を求められる
- 生活費が不十分だと不許可になることがある
この矛盾が、配偶者ビザ申請を複雑にしています。
重要な考え方
ただし、以下の条件を満たせば入管法第5条第3号には該当しません。
- 働く意思と能力がある
- 将来的に自立した生活ができる見込みがある
- 一時的に収入が少なくても、貧困者・放浪者ではない
- すでに日本にいる(上陸をしているので上陸拒否に不許可にできない)
この点を入管に説明することが重要です。
学生結婚・収入が少ない場合の配偶者ビザ申請|4つのポイント
ポイント1:よくある対応方法とその限界
学生や無職の方が配偶者ビザを申請する場合、一般的には以下の方法が紹介されています。
一般的な方法
- 貯金の残高証明書を提出する
- 親の課税証明書を提出する
これらの方法の限界
貯金額や親の収入が少ない場合、以下の理由であまり効果的ではありません。
| 方法 | 入管の考え方 | 限界 |
|---|---|---|
| 貯金の残高証明書 | 貯金はだんだん減っていく | 金額が少ないと不十分 |
| 親の課税証明書 | 親と別居なら世帯が別 | 一時的な支援と見なされる |
ポイント2:将来の生活計画を具体的に説明する
配偶者ビザは「将来」を審査される
配偶者ビザは許可が取れた後のことを審査されます。
許可が取れた後=将来のことです。
そのため、将来日本で安定的・継続的に生活ができる計画を具体的に説明することが最も重要です。
具体的な説明方法
- 就労計画
- アルバイトや就職の予定
- 月収・年収の見込み
- 雇用契約書や内定通知書
- 資格や免許の活用
- 保有する資格・免許
- その資格で就職できる可能性
- 実際の求人情報
成功事例
過去の依頼人で、無職でしたが看護師免許や調理師免許を持っていることで「すぐに就職ができる」と説明して許可が取れたケースがあります。
ポイント3:説明のバランスが重要
やってはいけないこと
- 裁判例や法律を提示するだけ
- 将来の計画を説明するだけ
正しいアプローチ
- 将来の生活計画を具体的に説明
- 裁判例・法律による法的根拠の提示
- 両方をバランスよく組み合わせる
お金がないのに日本で生活をするとなると、「日本で働くために偽装結婚をするのではないか」と審査官に疑われてしまいます。
そのため、単に法律を主張するだけでなく、実際の生活計画も示すことが重要です。
ポイント4:不許可後の再申請も可能
一度不許可になっても、状況を改善しすればすぐに再申請することで許可が取れる可能性があります。
再申請で改善すべき点
- 不許可理由の分析
- 収入源の確保(アルバイトなど)
- より具体的な生活計画
- 法的根拠の提示
今回のケースも、1回目は不許可でしたが、2回目の申請で許可を取ることができました。
JOY行政書士事務所の配偶者ビザ申請サポート
学生結婚・収入が少ない方の配偶者ビザ申請をサポート
今回のケースでは、学生結婚で退学後という難しい状況から、2回目の申請で許可を取ることができました。
サポート実績
- 学生結婚での許可取得
- 退学後の申請サポート
- 不許可からの再申請
- 収入が少ない方の申請
こんな方はご相談ください
- 学生結婚で配偶者ビザを申請したい
- 一度不許可になってしまった
- 収入が少なく生活費の説明に不安がある
- 親の支援だけでは不十分と言われた
- アルバイト収入だけで申請できるか不安
- 退学・離職などの事情がある
配偶者ビザ申請でお困りの際は、お気軽にJOY行政書士事務所にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 学生結婚でも配偶者ビザは取れますか?
はい、取れます。学生という身分でも、将来の生活計画を具体的に説明し、アルバイトなどで収入を得る見込みがあれば許可される可能性があります。
Q2. 不許可になった場合、再申請はできますか?
はい、できます。不許可理由を分析し、状況を改善して再申請することで許可が取れる可能性があります。今回のケースも2回目の申請で許可されました。
Q3. 親の支援だけでは配偶者ビザは取れませんか?
親の支援だけでは不十分と判断されるケースがあります。親の支援に加えて、ご自身のアルバイト収入や就職の見込みを示すことが重要です。
Q4. 裁判例を提出すれば必ず許可されますか?
いいえ、裁判例を提出するだけでは不十分です。裁判例は法的根拠として有効ですが、将来の生活計画の説明と組み合わせることが重要です。
Q5. どのくらいの収入があれば配偶者ビザは許可されますか?
明確な基準はありません。収入額よりも、「安定的・継続的に生活できる見込み」を示すことが重要です。少額でも継続的な収入があれば許可される可能性があります。
お問い合わせ・ご相談はこちら
JOY行政書士事務所のホームページをご覧いただきありがとうございます。
ホームページをご覧になられてご不明な点、ご不安な点などがございましたらお問い合わせください。
相談は無料です。はじめて行政書士にお問い合わせ・ご相談をされるかと思いますがお気軽にご連絡ください。
