9月になり外国人留学生の中にも内定が出ていると思います。専門学校・大学で学んだ知識をいかせる仕事なら在留資格の変更もスムーズにできると思います。

では、日本語学校に通う外国人留学生は卒業後すぐに日本で就職することができるのでしょうか。

就労ビザと言われる「技術・人文知識・国際業務」の在留資格では働くことができません。理由は上陸許可基準に書かれています。

外国人留学生が就職するための学歴

在留資格認定には”在留資格該当性”と”上陸許可基準”の2点を審査されます。就労ビザ=「技術・人文知識・国際業務」の場合、業務内容が在留資格該当性、上陸許可基準が申請人の個人能力にあたります。

個人能力とは、

  • 当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、またはこれと同等以上の教育を受けたこと
  • 当該技術又は知識に関連する科目を専攻して本邦の専門学校の専門課程を修了したこと
  • 十年以上の実務経験を有すること
  • 翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝又は海外取引業務、服飾若しくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務に従事すること
  • 従事しようとする業務に関連する業務について三年以上の実務経験を有すること。ただし、大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合、この限りでない。

以上が上陸許可基準に書かれている個人の能力です。

上の3つは人文知識、下の2つは国際業務に関する上陸基準となります。学歴が特に重視されるのが人文知識です。

”大学、またはこれと同等以上(大学院)の教育を受けたこと”、と書かれていますので卒業する必要はありません。業務内容とマッチした単位を取得していれば足ります。しかし出入国管理局を納得させるためには卒業をしたほうが簡単です。

海外の専門学校では学歴要件に足りないことが2番目の文章でわかります。”本邦”=日本の専門学校を卒業しないと学歴要件を満たしません。ネパールは専門学校がないので問題ありませんが、ベトナムは専門学校なのか短期大学なのか確認が必要な留学生がいます。
逆に大学なら日本の大学に限らず、海外の大学でも学歴要件をクリアします。

国際業務では”大学を卒業した者が翻訳、通訳又は語学の指導に係る業務に従事する場合”は、業務経験が三年以上なくても大学を卒業していれば在留資格の許可が取れます。

語学に係る業務に従事するとき、在留資格を取る方法は
1.日本にある日本語を専門とする専門学校を卒業する
2.大学で日本語を専攻して教育を受ける(卒業は必須ではない)
この人文知識で在留資格を取るコースと

3.大学を卒業する
国際業務で在留資格を取るコース、3つの方法があることがわかります。

ただし国際業務で在留資格を取得すると高度専門の在留資格にステップアップすることができません。国際業務とは経験に裏打ちされた個人の能力です。経験は教育と違い数値化できないため、高度専門のポイントに換算できないためです。

日本語学校の外国人留学生の就職先

上陸許可基準を見る限り、日本語学校を卒業しただけでは学歴が足りません。外国人留学生が母国の大学、大学院で教育を受けていれば(卒業していることが望ましいですが)要件をクリアしますが、なかなかいないのが現状です。

今後、日本語学校の基準、専門学校・大学の基準が厳しく審査されます。外国人留学生はすでに飽和状態です。専門学校・大学に入学するためには日本語能力試験N2相当が必要とされています。現状、この要件は緩和されていますが、いつ厳しく審査されるかわかりません。

日本語学校から専門学校・大学に進学できる外国人留学生は減っていくかもしれません。

日本語学校を卒業した外国人留学生の新しい受け皿が必要です。いや、新しい受け皿ができたから専門学校・大学に進学できる外国人留学生が減っていくのかもしれません。

日本語学校を卒業した外国人留学生は「技術・人文知識・国際業務」で就職はできませんが、要件を満たせば「特定技能」の許可は取れます。技能試験と日本語能力試験N4に合格すれば日本で就職できます。

日本語学校を卒業後、提携先の専門学校に進学することは年々難しくなっくことが予想されます。日本語学校は就職も視野に外国人留学生の進路先を考えていかなくてはいけません。