今回ご依頼をいただいたのは、高校生のときにご家族と来日し、日本の高校と専門学校を卒業して日本の会社で働いている中国国籍の方でした。

在留資格は「技術・人文知識・国際業務」、いわゆる就労ビザです。就労ビザは決められた仕事しかできず、在留期間の更新のたびに仕事の内容や会社のことを説明しなければいけません。

そこで、日本の高校を卒業した外国人の方が、日本で5年以上働いたときに認められる「定住者」への変更を申請して、無事に許可を取ることができました。

この記事では、「定住者」に変更するための要件と、ポイントになる学歴・職歴と「5年」の数え方を解説します。

「定住者」に変更するメリット

「定住者」は、仕事の内容に制限がない在留資格です。新しい在留カードにも「就労制限なし」と記載されます。

技術・人文知識・国際業務(就労ビザ)定住者
できる仕事学歴・職歴と関連のある専門的な仕事だけ制限なし
転職したとき新しい仕事が在留資格にあてはまるか確認が必要仕事の内容を気にせず転職できる
配偶者の在留資格「家族滞在」(週28時間までしか働けない)「定住者」

就労ビザのままでは、たとえば会社の都合で仕事の内容が変わったり、別の職種に転職したりするたびに不安がつきまといます。「定住者」になれば、就労に制限がなくなりますので、日本人と同じように仕事を選べるようになります。

日本の高校を卒業した外国人の方が「定住者」になる2つのルート

ご両親などといっしょに日本で暮らし、日本の高校を卒業した外国人の方には、出入国在留管理庁が定めた「定住者」へのルートがあります。

ルート主な条件定住者になるタイミング
①高校卒業ですぐに「定住者」日本の小学校・中学校・高校を卒業
入国時に18歳未満
就職先が決まっている
高校卒業・就職のとき
②「特定活動」や就労ビザで5年働いてから「定住者」日本の高校を卒業
就労ビザ等で5年以上在留
就職先が決まっている など
5年以上働いたあと

①のルートは日本の小学校・中学校も卒業していることが条件です。今回のご依頼人は高校生のときに来日して日本の高校に入学されていますので、②の「5年以上在留」のルートで「定住者」への変更を申請しました。

就労ビザから「定住者」へ変更するための5つの要件

出入国在留管理庁は、「特定活動」から「定住者」への変更許可の要件を次のとおり示しています。

  1. 日本の高校卒業以上の学歴があること
  2. 就労を目的とする「特定活動」または就労資格(「技能実習」を除く)により5年以上在留していること
  3. 就職先が決まっていること(内定を含む)
  4. 申請人自身に独立して生計を維持できる能力があること
  5. 入管法上の届出義務や、税金などの公的義務を守っていること

ポイントは②です。「特定活動」だけではなく、「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザで働いた期間も5年に数えられます。

専門学校で勉強した期間も「5年」に数えられる

さらに、日本の大学や専門学校(日本語教育だけを受ける場合を除く)で教育を受けたあとに就職した場合は、その学校で教育を受けた期間も「5年以上在留」に数えることが認められています。

つまり、高校を卒業してすぐに働いた方だけでなく、専門学校や大学に進学してから就職した方も、学校の期間と働いた期間を合わせて5年になれば対象になります。

今回のご依頼人の学歴と職歴

今回のご依頼人の学歴と職歴は次のとおりです。

区分学歴・職歴
来日高校生のときに、ご家族と日本で生活するために来日
学歴日本の高等学校に入学・卒業
学歴専門学校で2年間学ぶ
在学中に日本語能力試験N2に合格
専門士の称号を得て卒業
職歴会社に正社員として入社し、専門学校で身につけた知識と技術を活かして勤務
在留資格は「技術・人文知識・国際業務」

「5年以上在留」の数え方

就労ビザで働いた期間だけでは3年ですが、専門学校の期間を合わせると5年になります。

内容年数
専門学校で教育を受けた期間2年
就労ビザで会社に勤務した期間3年
合計5年

このように、専門学校で学んだ分野と就職先の仕事がつながっていて、学校の期間と働いた期間を合わせて5年を満たしたことが今回の申請のポイントでした。申請理由書では、来日の経緯から高校・専門学校での学び、就職、現在の生活までを時系列で整理して、5年の要件を満たしていることを説明しました。

申請で提出した書類

今回の在留資格変更許可申請では、次の書類を提出しました。

  • 在留資格変更許可申請書(「定住者」用の様式)
  • 申請理由書
  • 身元保証書
  • 住民票(世帯全員の記載のあるもの)
  • 在職証明書
  • 高校の卒業証書のコピー
  • 専門学校の卒業証書のコピー
  • 日本語能力試験N2の合格証のコピー
  • パスポート・在留カード(提示)
  • 課税証明書
  • 納税証明書

審査の結果

申請前許可後
在留資格技術・人文知識・国際業務定住者
就労制限在留資格に基づく就労活動のみ可就労制限なし
在留期間1年1年

申請では在留期間5年を希望しましたが、許可された在留期間は1年でした。在留期間は審査の結果で決まり、希望どおりにならないこともあります。次の更新で、より長い在留期間を目指していくことになります。

JOY行政書士事務所にできること

日本の高校を卒業した方は、就労ビザや「特定活動」で5年以上働けば「定住者」に変更できる場合があります。専門学校や大学で学んだ期間も数えられますので、「まだ5年たっていない」と思っている方も、一度数え直してみることをおすすめします。

ご依頼人が入管へ行くことなく、申請から追加資料の提出まで当事務所で対応しています。

「自分の学歴・職歴で5年を満たしているかわからない」「就労ビザから定住者に変更したい」「転職を考えているので在留資格が心配」など、お困りのときはJOY行政書士事務所までお問い合わせください。

お問い合わせ・ご相談はこちら

JOY行政書士事務所のホームページをご覧いただきありがとうございます。
ホームページをご覧になられてご不明な点、ご不安な点などがございましたらお問い合わせください。
相談は無料です。はじめて行政書士にお問い合わせ・ご相談をされるかと思いますがお気軽にご連絡ください。