日本のファッションにあこがれて日本に留学する外国人の方がいます。ファッション関係の専門学校でデザインなどの勉強をしていますが、ファッションを勉強する外国人留学生は日本のアパレル業界で働くことができるのでしょうか?

就労ビザが認められるか?

外国人留学生が日本で働くためには「留学」の在留資格を就労系の在留資格(就労ビザ)に変更しなければいけません。就労ビザはたくさんありますが、アパレル業界で働く就労ビザとなると「技術・人文知識・国際業務」「技能」「特定技能」を考える方がいると思われます。

これらの在留資格でアパレル業界で働くことができるのか確認します。

〇「技術・人文知識・国際業務」

「技術・人文知識・国際業務」は営業、通訳、店舗管理、デザイナー、コーディネーターなど幅広い理系・文系業務が該当します。アパレル業界ですと外国人客に対応する通訳者としての販売員、店舗管理の従業員、さらに服飾のデザイナーなどが考えられます。

しかし「技術・人文知識・国際業務」は学校で勉強した内容と業務内容がマッチングしていないと許可が取れません。学校で通訳、経営の勉強をしていればいいのですが、デザインなどを勉強した留学生は販売員、店舗管理の業務では許可が取れないかもしれません。逆にデザインを勉強した留学生は通訳、店舗管理の仕事はできないと思われます。

✖「技能」

「技能」は料理人など専門的な仕事をする外国人の方が持つ在留資格です。宝石の加工職人や建築家も「技能」の在留資格で活躍されているため、ファッションのデザイナーも「技能」で許可が取れないか考えてしまうかもしれませんが、残念ながらファッションデザイナーは「技能」には含まれません

そもそも「技能」の在留資格にファッションデザインが含まれていませんし、「技能」の許可を取るためには一定の実務経験が必要です。日本のファッション関係の専門学校を卒業しても「技能」の条件はクリアできません。

✖「特定技能」

在留資格「特定技能」は現場作業・単純作業が認められている在留資格です。「特定技能」の許可を取ることで飲食店やホテルの従業員として働くことができるため、同じようにアパレルの販売員になれるかも、と考える方がいるかもしれませんが、それは違います。

「特定技能」は法律で決められた14の職種でしか働くことができません。残念ながらアパレル業は認められていません。

◎「N1特定活動」

日本の大学を卒業し、日本語能力検定N1に合格をすると接客業で働くことができます。日本の大学を卒業すれば大丈夫ですので、「技術・人文知識・国際業務」とは違いどの学部・学科でも問題ありません。

「技術・人文知識・国際業務」では日本人従業員と同じようなキャリアプランでないと不許可になる可能性があります。日本人従業員と同じように出世していくことが前提のため、ずっと販売員として働くことは難しいです。

もしアパレルの販売員をずっとやりたいなら「N1特定活動」の許可を取った方が良いです。接客業の仕事をずっと続けることができます。

アパレル業界で働くために

自分がアパレル業界の販売員として働きたいのか、デザイナーとして働きたいのか、それによって勉強する内容が変わります。販売員になりたいのか、デザイナーになりたいのかしっかりと考えて学校や仕事を選んでください。

就労ビザは販売員でもデザイナーでもまずは「技術・人文知識・国際業務」で申請ができないか考えます。しかし販売員になりたいのなら日本の大学に行き、日本語能力検定N1に合格して「N1特定活動」の申請をしたほうがいいです。

「技術・人文知識・国際業務」で通訳としての販売員を申請すると、その店舗に外国人が1日何人来店するのかなど、出入国在留管理局から細かい指摘をされる場合があります。「技術・人文知識・国際業務」は外国人客の対応が大切になるためです。

「N1特定活動」なら販売員として日本人客の対応もできますので、「技術・人文知識・国際業務」より審査が優しくなります。(日本語能力検定N1が難しいのですが)

不安なときはJOY行政書士事務所にご相談してください。
また法務省がファッション・デザインに関する在留資格申請で許可が取れたケース、不許可になったケースをアナウンスしています。こちらを参考にしてください。

アパレル業界の許可事例・不許可事例

許可事例


(1) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与された外国人が,デザイン事務所においてデザイナーとして創作業務に従事するもの。

(2) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与された外国人が,服飾業を営む会社においてファッションコーディネーターとして商品の企画販促や商品ディスプレイの考案等に従事するもの。

(3) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与された外国人が,服飾業を営む会社の海外広報業務を行う人材として採用された後,国内の複数の実店舗で3か月間販売・接客に係る実地研修を行い,その後本社で海外広報業務に従事するもの。

(4) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与された外国人が,服飾業を営む会社において,パタンナーとして,裁断・縫製等の制作過程を一部伴う創作活動に従事するもの。

不許可事例

(5) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与された外国人が,服飾業を営む会社において,主体的な創作活動を伴わない裁断・縫製等の制作過程に従事するもの。

(6) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与された外国人が,服飾業を営む会社の店舗において専ら接客・販売業務に従事するもの。

(7) 本邦の専門学校において主に経理を学んで卒業し,専門士の称号を付与された外国人が,衣料品販売店において専ら販売業務に従事するもの。

当事務所にできること

JOY行政書士事務所は専門学校で100件以上の留学生の就労ビザを見てきた経験があります。
留学生を採用する企業や日本の会社で働く留学生で就労ビザにお困りのときはぜひお問い合わせください。

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