2019年に在留資格「特定技能」ができました。特定技能試験に合格し、日本語能力N4をもつ外国人の方は「特定技能1号」で5年、さらに一部の職種では「特定技能2号」に変更をすることで日本で働くことができます。
しかし、「特定技能2号」でしたら家族の滞在が認められていますが、「特定技能1号」は日本での定住が認められていないため家族の滞在が認められていません。
外国人留学生の中にはすでに結婚をしており、母国に家族を残して来日しています。そのような外国人留学生にとって家族と一緒に日本に住めない「特定技能1号」は変更する価値があまりなく、「特定技能」外国人が増えない原因になっているように感じます。
では、本当にすべての「特定技能1号」をもつ外国人は家族を日本に呼べないのでしょうか? もし呼べるとしたら、どのような方法があるのか確認をします。
「特定技能1号」外国人の家族のための在留資格
就労系の在留資格(いわゆる就労ビザ)をもつ外国人が家族と一緒に日本に住むためには、その家族が「家族滞在」の在留資格の許可を取らなくてはいけません。
「家族滞在」は、”「教授」,「芸術」,「宗教」,「報道」,「高度専門職」,「経営・管理」,「法律・会計業務」,「医療」,「研究」,「教育」,「技術・人文知識・国際業務」,「企業内転勤」,「介護」,「興行」,「技能」,「文化活動」,「留学」のいずれかの在留資格をもって在留する方の扶養を受ける場合”に許可が取れます。
この文章を読むとわかりますが、「特定技能1号」が書かれていません。(「特定技能2号」は別表で認められています。)
法律で「特定技能1号」から扶養を受ける家族は「家族滞在」が認められていないのです。
最初から法律で認められていませんので、「特定技能1号」の家族は「家族滞在」の申請はできません。法律に書かれていない在留資格の申請はできません。
しかし、人道上配慮すべき理由をもつ家族もいます。人道上一緒に住むべき家族には「家族滞在」ではなく「特定活動」の在留資格を用意することで解決がされています。
「特定活動」は法務大臣が特別に許可を出す在留資格で、法律になくても許可が取れます。
「特定技能1号」外国人の家族が取れる「特定活動」
- 中長期在留者として本邦に在留していた者が特定技能1号の在留資格に変更する以前から、既に身分関係が成立している中長期在留者として在留していた同人の配偶者や子
- 特定技能1号の活動を行う外国人同士の間に生まれた子(両親とも引き続き本邦に在留することが見込まれる場合に限る)
「特定技能1号」はもともと家族の滞在が認められていませんので、人道上の理由がなければ「特定活動」も認められません。
まず、「特定技能1号」に変更する前から家族が「家族滞在」などの在留資格で日本に住んでいる場合は「特定活動」が認められます。
たとえば、外国人留学生が「留学」から「特定技能1号」に変更をするとき、すでに「家族滞在」で家族が日本に住んでいる場合は「特定活動」に変更ができます。家族の生活拠点が日本にあるため、人道上認められるのでしょう。
またふたりとも「特定技能1号」をもつ外国人が結婚をし、子どもが生まれたときも子どもの「特定活動」が認められます。この場合、両親が引き続き日本で生活することが条件となります。両親と子どもを離れ離れに生活させないため、といった人道上の理由があります。
基本的に「特定活動」が認められるのはこの2パターンなのですが、人道上配慮すべき理由はたくさんあります。1、2以外であっても出入国在留管理局の判断ではなく出入国在留管理庁(本庁)の判断によって認められることもあるようです。
技能実習生が「特定技能1号」外国人と結婚をするとき
ここで問題になるのが、技能実習生のお2人が結婚をするときです。たとえばダンナ様が「技能実習」から「特定技能1号」に変更をするとき、奥様は「技能実習」を終えたあとも家族として日本に残ることができるのでしょうか?
これはかなり難しい、と出入国在留管理局は考えています。
「特定技能1号」外国人の家族が日本で生活する条件は、”人道上”家族を離れ離れにしてはいけないためです。
そのため、すでに同居をしている留学生と家族、両親といっしょに住む子どもは「特定技能1号」でも家族の滞在が認められます。
しかし、技能実習生として離れて暮らしていたお2人が、「特定技能1号」に変更をするタイミングで同居をするなど、家族としての実態がない、また何年か前に結婚はしたけど家族として一緒に生活をしていない、このようなときはかなり難しい申請になります。
日本で離ればなれで生活をすることと、日本と海外で離ればなれで生活することは、残念ながらあまり変わりがありません。
ただし、技能実習生であってもすでに同居をしているときは、家族の実態があるとして人道上の理由により家族の滞在が認められるかもしれません。
”人道上”離れて暮らすにはあまりにも不憫なときは、家族の滞在が認められる可能性があります。
JOY行政書士事務所にできること
人道上配慮すべき理由によって認められる「特定活動」には高齢親の扶養があります。老親扶養の「特定活動」ともいわれますが、この「特定活動」は母国で介護をする親族が一人もいないなどと細かい条件をクリアすれば認められます。
「特定技能1号」の家族も、ほかに親族がいない、などの人道上配慮すべき理由があれば特別に「特定活動」の許可が取れるかもしれません。
必ず認められるわけではありませんが、家族が一緒に住まなければいけない理由がありましたら出入国在留管理局に相談をしながら「特定活動」の申請をします。
もしご家族が母国で苦しい思いをされているのでしたらJOY行政書士事務所までお問い合わせください。
ご一緒に「特定活動」の許可が取れるのかがんばっていきます。
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