ネパール人留学生に人気の就職先といえばホテルです。ネパールではエベレスト登山など観光業が盛んです。そのためネパール人留学生は、ネパールで自分のホテルを経営することを夢見て日本のホテルに就職をします。

新しい在留資格も設定され、ホテルのフロント業務で働くことができる在留資格が増えました。ひとつずつ要件を確認していきます。

「技術・人文知識・国際業務」

就労ビザといえばこの「技術・人文知識・国際業務」の在留資格のことを指します。日本の専門学校以上の学歴、または海外の大学以上の学歴が要件となります。

日本の専門学校を卒業するネパール人留学生がホテルに就職するときに申請するのがこの在留資格です。在留資格の許可の一番のポイントは英語能力の証明です。

ネパール人観光客が日本のホテルを利用することはめったにありません。そのため英語が話せないとフロント業務を継続的・安定的に行う能力がないと出入国管理局に判断されて不許可になります。欧米の観光客にも対応できる証明をすることで、業務の継続性・安定性を証明します。

ネパールの大学の多くは英語で授業を行っています。そのためネパールの大学を卒業した留学生は英語の証明をする必要がなく、国際業務としてフロント業務の許可が取りやすくなります。

また専門学校でも観光の専門学校を卒業すると、学習内容と業務内容の該当性が高く許可が取りやすいかもしれません。

日本語能力はN3、N2レベルの留学生が申請を行います。

「N1特定活動」

外国人留学生の就職率を上げるため、2019年5月に新しい在留資格が設定されました。それが「N1特定活動」です。

「N1特定活動」の特徴は、「技術・人文知識・国際業務」では認められなかった現場作業が認められた点です。

ホテルでいえば客室の掃除、レストランの配膳などが認められます。またほかの外国人従業員の指導を兼ねた接客業務が認められています。

ただし、”従事しようとする業務内容に「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の対象となる学術上の素養等を背景とする一定水準以上の業務が含まれていること、または今後当該業務に従事することが見込まれること”と定められています。現場作業だけに従事させることはできません。

「N1特定活動」の要件は、その名のとおり日本語能力試験N1合格かBJTビジネス日本語能力テスト480点以上、または日本の大学・大学院で「日本語」を専攻して修了・卒業です。
日本の専門学校卒・短大卒、母国の大卒者は該当しません。

「特定技能 宿泊業」

特定技能能力試験と日本語能力試験N4に合格すれば「特定技能1号」の在留資格で働くことができます。

ホテルでは、宿泊施設におけるフロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務に従事できます。

業務内容は「技術・人文知識・国際業務」よりも幅広く、現場作業も認められています。しかし日本語能力試験N4レベルではビジネスレベルの日本語は期待できません。あまり日本語を話すことができない、理解することができない外国人の方がフロント業務を行うことになります。これは雇用するホテルにとってリスクがあります。「特定技能」が想定よりも広まらない理由のひとつかもしれません。

「技能実習」

2020年2月25日から宿泊業の技能実習が認められました。「特定技能」とは違い技能試験の必要はなく、受け入れ人数にも制限がありません。ただし夜勤は認められず、ベッドメイキングや皿洗い等のバックヤードのみ業務にあたることは認められていません。

一日の1/2以上をフロント業などを行わなければならず、それに関連する接客業務(ドアマンなど)は1/2以下と定められています。また食器洗浄業務などは一日の仕事の1/3以下でなければいけません。

まとめ

日本政府のインバウンド政策により、年々外国人観光客は増加しています。多くのホテルで外国人採用が急務となっています。ネパール人留学生を採用するホテルはますます増えていくでしょう。

外国人の方が日本で働くためには在留資格が必要です。適切な在留資格を申請しなければ不許可になってしまいます。また在留資格で認められていない業務をさせてしまうと、不法就労で捕まってしまいます。

何のために外国人を採用するのか、どんな業務をさせたいのか、それに見合った在留資格は何なのか、採用する外国人の方の能力を踏まえてしっかりとお考えください。在留資格についてわからないときは、JOY行政書士事務所までお問い合わせください。