このようなお問い合わせがありました。

「在留資格・ビザの申請は一度不許可になると審査が厳しくなりますか?」

どうもこのようなことを説明する方がいるようですが、一度不許可になったからといって審査が厳しくなることはありません

不許可になったんだから再申請では審査が厳しくなる、と心配されるお気持ちもわかりますがそんなことはありません。

では、どうして一度不許可になっても審査が厳しくならないのか。

在留資格・ビザの審査について確認をしていきます。

どうすれば在留資格・ビザで許可が取れるのか

そもそも在留資格・ビザはどのように審査をされるのでしょうか。

在留資格・ビザは細かくわけると100種類あるといわれていますが、許可の基準は3つしかありません。

在留資格該当性上陸許可基準狭義の相当性です。

在留資格該当性とは?

在留資格該当性とは、申請をする在留資格に該当しているかどうか審査されます。

在留資格「日本人の配偶者等」、いわゆる配偶者ビザは日本人の配偶者でなければ申請ができません。日本人と結婚をしていない人・日本人の配偶者でない人が配偶者ビザの申請をしても不許可になります。

同じように在留資格「技術・人文知識・国際業務」=就労ビザの申請をするときは日本の会社で専門的な仕事をすることが決まっていないといけません

在留資格ごとに決まっている条件に該当しないときはその在留資格は申請できません。

では、在留資格に該当しなくなったときはどうしたらいいでしょうか。

就労ビザで日本に滞在をしているときは会社を退職してから3か月以内に新しい会社を探す必要があります。持っている在留資格に該当しなくなって3か月以上すぎてしまうと、在留資格を取り消される可能性があります

※配偶者ビザは配偶者と離婚・死別などしてから6カ月以内に新しい在留資格を申請します。

就労ビザで働いている人が日本人と結婚をしたときはどうでしょうか?

この方は就労ビザと配偶者ビザの両方に該当しますので就労ビザから配偶者ビザに変更をする必要はありません。また就労ビザと配偶者ビザ両方の許可を取ることはできません。

日本で行う活動に該当する在留資格をひとつだけ持っていてください

上陸許可基準とは?

上陸許可基準とは日本に上陸をするための条件です。

就労ビザの在留資格該当性は日本の会社で専門的な仕事をすることですが、日本の会社に就職が決まったからといってすべての外国人が日本に上陸=日本に来ることができるわけではありません。

就労ビザは専門学校・大学以上の学歴がないといけません。日本で専門的な仕事ができるように学歴の条件が決められています。

この専門卒以上の学歴が就労ビザの上陸許可基準になります。

しかし配偶者ビザには上陸許可基準がありません。日本人の配偶者であれば(基本的に)だれでも日本に来ることができます。

これは当たり前のことで、日本人の配偶者でも専門卒以上の学歴が必要、なんていったらおかしなことになります。

配偶者の収入・学歴などの条件を上陸許可基準にすることはできません。

狭義の相当性とは?

狭義の相当性と書くとむずかしいのですが、日本での在留状況が審査されます

在留資格該当性もあり、上陸許可基準をクリアしていても犯罪をすれば在留資格・ビザの申請は不許可となり帰国をしなければいけません。

よくあるケースでは、週28時間しかアルバイトができない留学生が長時間アルバイトをすると就労ビザの変更申請が不許可になります。

留年をした留学生も在留状況が悪いとして更新申請が不許可になります。

在留資格・ビザが不許可になると再申請の審査は厳しくなるのか?

上でご説明したとおり、在留資格・ビザの申請は在留資格該当性上陸許可基準狭義の相当性が審査されます

では、この3つの中に再申請をすることで条件が厳しくなるものはあるでしょうか?

就労ビザの申請をして在留資格該当性で不許可になりました。日本の会社に就職が決まりましたが、専門性のない仕事ではないと在留資格該当性で不許可になります。

同じ会社で再申請をするときは業務内容についてもっと詳しく説明をするか、いっそ業務内容を変更します。

より詳しい説明は必要ですが、審査が厳しくなるからではありません。在留資格該当性があることを説明するだけです。

配偶者ビザで不許可になったときは、再申請で不許可理由についてていねいに説明をするだけです。審査が厳しくなるからではありません。

再申請をするときは不許可理由をリカバリーするだけで、審査が厳しくなるからていねいな説明が必要になるわけではありません。

法律の条件はいつも同じです。

資料転用願出とは

在留資格・ビザ申請をして一度不許可になったとき、まずは出入国在留管理局で不許可理由を確認します

出入国在留管理局が不許可理由を伝えるのは法律で決まっていません。そのため1回しか不許可理由を教えてくれません。しっかりとヒアリングをするか行政書士に同行をお願いしてください。

もし不許可理由がリカバリーできるならすぐに再申請をします。不許可になってもペナルティはありませんのですぐに再申請ができます

前回の申請から3か月以内に再申請をするときは「資料転用の願出」をしてください。再申請のときに同じ資料を取っても時間がかかってしまいます。「資料転用の願出」を提出することで同じ資料の提出を省くことができます。

配偶者ビザなら戸籍謄本・住民票・外国の結婚証明書・質問書・身元保証書・写真・SNSのトーク歴など多くの資料の転用ができます。新しく用意をするのは申請書と前回の申請から再申請までの経緯とトーク歴だけでしょうか。

就労ビザなら卒業証明書・成績証明書や会社の資料などが転用できます。

※再申請でも申請書は必要ですのでお気をつけください。

注意点として、戸籍謄本など日本の証明書の有効期間は3カ月間だけです。前回の申請から3か月以上たっているときは新しい日本の証明書が必要です。

JOY行政書士事務所にできること

どこから広まったのか「在留資格は一度不許可になると審査が厳しくなる!」は間違いであることがわかりました。

あくまで在留資格・ビザ申請は法律の条件をクリアすれば許可が取れます。その条件は法律に書いてありますので再申請であっても厳しくなることはありません。法律の条件が2回目の申請で厳しくなるなんておかしな話です。

ただ短期滞在ビザは外務省が審査をします。不許可になると短期滞在ビザは6カ月は申請ができなくなりますのでご注意ください。

とはいっても、不許可になるとそれだけ日本に来られるのが遅くなりますし、タイミングによっては帰国をしなくてはいけません。

不許可になってもペナルティはありませんし、すぐに再申請はできますがよいことではありません。不許可になるかご不安なときはJOY行政書士事務所までお問い合わせください。

ご自分で申請をされて不許可になったケースでも大丈夫です。

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