今回ご依頼をいただいたのはタイに住むご夫婦でした。今後は日本で生活をしたいとのご希望でタイ国籍の奥様の配偶者ビザ認定申請をしました。
しかしご夫婦はタイに住んでいます。日本に帰国をしても仕事は決まっていません。
日本での生活費について説明ができないと配偶者ビザは不許可になるケースがあります。
そのため当事務所にご依頼をいただき、無事に許可を取ることができました。
今回の申請では日本での生活費とともに、裁判所が判決を出した判例を出入国在留管理局に提出をしました。
裁判所は日本での生活費に不安があるからといって配偶者ビザを不許可にすることはできない、といっています。
しっかりと裁判所の判決・入管法を理解して出入国在留管理局に提出しなければいけません。
よくある日本で収入がないときの配偶者ビザ申請
ご夫婦ともに日本で仕事が決まっていないときに配偶者ビザ申請をする場合、
よくある方法として
- 貯金の残高証明書を提出する
- 親の課税証明書を提出する
が紹介されています。
もちろんこれらの方法でも許可は取れますが、貯金額や親の収入が少ないときはあまり効果的ではありません。
貯金額はだんだん減っていくものと出入国在留管理局は考えます。
親と同居をしなければ世帯が別と判断されて親の支援は効果的ではありません。
残高証明書・親の課税証明書が効果的でないときはどうしたらいいのでしょうか。
まず配偶者ビザは許可が取れた後のことを審査されます。許可が取れた後=将来のことですので、将来日本で安定的・継続的に生活ができる計画を出入国在留管理局に説明をします。
私の依頼人で無職でしたが、看護師免許や調理師免許を持っていることですぐに就職ができる、と説明をして許可が取れたケースがあります。
貯金額や課税証明書は過去の実績です。過去の実績から将来のことを説明することで説得力が出ますが、過去の実績がなくても将来の計画に説得力があれば配偶者ビザの許可が取れます。
今回のケースではご主人が日本の美容師免許を持っていましたので、日本で美容師として働くことができることを説明しました。
そもそも生活費の説明が必要か?裁判の判例で反論
今まで生活費の説明をしておいてこんなことをいうのもなんですが、そもそも配偶者ビザで生活費の説明は必要なのでしょうか?
配偶者ビザの許可の条件は1つだけです。
「日本人の配偶者として日本で活動」をすること。
これを在留資格該当性といいます。
日本で在留資格に該当をする活動=日本人の配偶者としての活動をすることで配偶者ビザは許可になります。
日本での生活費は配偶者ビザの許可の条件ではありません。
これは裁判所もいっています。
経済的基盤の有無は、当該外国人が本邦において行おうとする活動が日本人の配偶者の身分を有する者としての活動に該当するか 否かを判断する上での一事情に過ぎないと解される
東京地裁平成23年9月8日
お金がないから日本人の配偶者ではない、なんていえません。
お金がなくても結婚はできますし、結婚をすれば配偶者ビザの条件をクリアします。
貧困者、放浪者等で生活上国又は地方公共団体の負担となるおそれのある者
入管法第5条3(上陸の拒否)
入管法では貧困者・放浪者など公共団体の負担になる者の上陸を拒否すると規定していますが、ご夫婦はタイで働かれていて貧困者でも浮浪者でもありません。
しっかりと裁判所の判例・法律を出入国在留管理局に提示をして反論をしなくてはいけません。
もちろん反論をするだけではなく、将来日本でどのように生活をするか説明をする必要があります。
お金がないのに日本で生活をするとなると、日本で働くために偽装結婚をするのではないか、と審査官に疑われてしまいます。
大切なのは出入国在留管理局に説明をするバランスです。
JOY行政書士事務所にできること
今回のケースでは貯金額が少なく、ご両親の支援がないケースで配偶者ビザの許可が取れました。
ご夫婦の将来の日本での生活について説明をし、それでも足りないと考え裁判例・入管法を提示し出入国在留管理局に反論をしました。
なぜ許可が取れたのか出入国在留管理局は教えてくれません。裁判例・入管法の提示はあまり効果的ではなかったかもしれません。
それでも愛するご夫婦が日本で生活をするためにJOY行政書士事務所ではできることをやります。
ご自分で申請をするときに裁判例・入管法を出入国在留管理局に提示することは難しいかもしれません。
そのようなときはJOY行政書士事務所にお問い合わせください。
JOY行政書士事務所はご夫婦に代わり書類を作成、出入国在留管理局に提出をいたします。
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