令和2年2月に在留資格の変更、在留期間の更新許可についてガイドラインが発表されました。在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請はまた違った審査基準があります。認定申請で許可が取れたからといって必ず許可が取れるわけではありません。
審査のポイントを確認いたします。
審査のポイント
1.活動内容が在留資格に該当をしている
在留資格で最も重要な審査が”在留資格該当性”です。これは申請人が日本で行おうとする活動が申請する在留資格に該当しているか=一致しているか審査されます。
たとえば、「技術・人文知識・国際業務」では単純作業・現場作業が認められていません。業務内容が「技術・人文知識・国際業務」で認められた活動ではないため申請をしても不許可になります。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を保有する外国人の方が介護の仕事を見つけますが、「技術・人文知識・国際業務」では介護の仕事はできません。
在留資格とはその外国人が日本で行う活動に対して許可が与えられたものです。在留資格で認められていない活動はできません。
2.上陸許可基準に適合している
在留資格で認められた仕事であっても、外国人の方が上陸許可基準に適していない場合は不許可になります。
たとえば、通訳の仕事を見つけて「技術・人文知識・国際業務」の申請をしても、その外国人の方が母国の大学で通訳の勉強をしていた、または日本の大学を卒業している、または母国で通訳の実務経験が3年以上なければ在留資格の許可は取れません。
活動内容に見合った基準に適合していないといけません。
しかし、身分系の在留資格の場合。上陸許可基準に適していないからといってすぐに更新許可申請が不許可になるわけではありません。扶養者ではなくなった、未成年ではなくなったからといって「定住者」の更新許可申請が不許可にはなりません。(早急に別の在留資格に変更したほうがいいですが)
3.在留資格で認められた活動をしている
在留資格で認められた活動を3か月していないと(「日本人の配偶者等」・「永住者の配偶者等」は6か月)在留資格を取り消される可能性があります。必ず取り消されるわけではありませんが、注意が必要です。
会社を退職した、学校を退学したまま更新許可申請をするときは審査に不利になります。
4.在留状況が不良
外国人留学生が変更申請・更新許可申請をしたときに不許可になる一番の理由が”在留状況”です。オーバーワークは入管法で定める犯罪ですので在留状況が不良で不許可になります。
在留状況が不良のために不許可になった場合は、いったん帰国をして在留資格認定証明書交付申請で許可を取り日本に戻ってくるようにします。これは在留資格認定証明書交付申請ははじめて日本に来る申請のため、審査項目に在留状況が含まれていないためです。
しかし日本に戻ってくるまで会社が待ってくれるのか、学校が待ってくれるのかはわかりません。過去のことは変えられませんので、在留状況にはご注意ください。
5.経済上安定していること
経済上安定をしていないと配偶者ビザなど身分系の在留資格で不許可になるかもしれません。しかし人道上の理由があるときはその理由を踏まえて審査をしてくれますので、出入国在留管理局への説明が大切になります。
経済上の安定とは、申請人が持っている技能も含まれます。現在無職であっても就職に有利な技能があればその技能について説明をします。
6.労働法を守っている
会社員で働いている場合、労働法を守らないで働いていてもそれは会社の命令です。そのため会社員の外国人の方は関係がありません。「経営・管理」で会社の経営者として働いている方は労働法を守っていないと不許可になるかもしれません。
7.納税義務を守っている
外国人留学生が「留学」の更新をするとき(また就職が決まり「家族滞在」で家族を日本に呼ぶとき)、税金に未払いがあって不許可になることがあります。会社員は会社が税金・年金・健康保険などを代わりに払ってくれますが、アルバイトをしているときは自分で払わないといけません。収入が少ないと税金を支払う必要がないため、アルバイトをがんばった次の年に急に納税の通知書が届いてびっくりする留学生もいます。未納分がないかしっかりと確認をしてください。
8.入管に届出を忘れずにしている
在留期間を守って更新をしないと、それだけで審査が不利になります。在留カードに関する届出はほかにもありますので守ってください。
また働いている会社の名前、住所などが変わったとき、会社を辞めたとき、転職をして新しい会社で働くときなど、所属機関のデータに変更があったときは「所属機関に関する届出」をします。今までは忘れていてもあまり問題にならなかったようですが、今後は気をつけてください。
ちなみに、外国人の方がお引っ越しをしたときは14日以内に住民票を移さなければいけません。住民票を変更すると市役所から出入国在留管理局に報告されるので、外国人の方が出入国在留管理局に届け出る必要はありません。
JOY行政書士事務所にできること
変更申請・更新許可申請のポイントをまとめました。今後はひとつひとつの審査が厳しくなっていくのでしょうか。変更申請・更新許可申請のときは確かめてから申請をしてください。
もちろん、JOY行政書士事務所にご依頼をいただけますと幸いです。
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