日本国内において、外国の学生がインターンシップを行うときは在留資格「特定活動9号」の許可を取らなくてはいけません。
もともとインターンシップとは”学生が、専攻する、または将来のキャリアに関連した職業体験をすること”とされています。
しかし、近年はインターンシップ「特定活動」の許可を取った外国の学生が、単純作業を行い、人材不足を解消する労働者として扱われています。
この問題を解決するため、出入国在留管理局はインターンシップ「特定活動」のガイドラインを発表しています。
外国の学生が適法にインターンシップを行えるようにひとつずつ確認をしていきます。
インターンシップ「特定活動」を申請できる外国の学生と業務内容
日本でインターンシップができる外国の学生とは、短期大学・大学・大学院に通う学生のことをいいます。大学生であっても18歳未満は該当しません。また、通信教育を受けている学生も除外されます。
インターンシップは大学の教育の一環のため、外国の大学で履修している科目と関連した業務に就くことが大切で、インターンシップによって得た知識・経験が大学において学業の一環として適正に評価される必要があります。
そのため、インターンシップをすることによって得ることができる単位科目・単位数、またはインターンシップが卒業要件になっていないといけません。
インターンシップをすることで単位が得られ、大学を卒業する条件となるのですから、学生が技術・知識を習得することができる活動でなければならず、同一作業の反復をさせるだけでは認められません。
外国の大学とインターシップ先との契約について
インターンシップ先は学生がインターンシップでどのような知識・技術・経験を習得できるのか、また報酬などについて送り先の大学と契約を結ぶ必要があります。
インターンシップ「特定活動」は報酬が発生するときに必要な在留資格です。報酬がない場合は「短期滞在」や「文化活動」の在留資格を申請します。報酬が発生する分だけ、インターンシップ「特定活動」の契約での取り決めが厳しくなります。
契約事項
- インターンシップの目的
- 大学における単位科目、取得単位数
- インターンシップの期間
- 報酬と報酬の支払い方法
- 控除費目、控除額
- 保険内容と負担者
- 旅費負担者
- 契約の解除
1.インターンシップの目的
大学で習得する知識や教養に関する知識を、社会実践を通じて習得することにより、人材育成に寄与することを目的とします。
2.大学における単位科目、取得単位数
上で説明したとおり、インターンシップを行うことで取得できる単位の科目と、単位数、またはインターンシップを行うことが卒業要件になっていることが明確でないといけません。
3.インターンシップの期間
1回のインターンシップの期間が1年を超えない範囲で、また通算のインターンシップの期間が大学に通う年数の2分の1以下でなければいけません。4年大学なら最大でも2年間(1年間を2回)となります。
4.報酬と報酬の支払い方法
時給・日給・月給、その金額と銀行振込か手渡しか明確にします。
5.控除費目、控除額
報酬から引かれる住居費、光熱費などの控除科目と金額が明確であること。光熱費など実費を請求する場合は1カ月当たりの目安を提示します。
6.保険内容と負担者
インターンシップ中の病気、ケガ、事故などの補償を明確にします。
7.旅費負担者
往復の飛行機代、日本国内の移動の旅費の負担者を明確にします。
8.契約の解除
インターンシップを中止する場合の要件を明確にします。
インターンシップ先が必要な受け入れ態勢
インターシップは受け入れ先で業務をする必要があるため、受け入れ先から派遣をすることはできません。
その受け入れ先には厳しい条件があります。
インターンシップ生の受け入れ態勢
インターンシップ責任者の選任
- 外国の大学との間の契約
- インターンシップの実施計画書の作成、評価に関すること
- インターンシップ生の受け入れの準備に関すること
- インターンシップ生の生活支援や保護に関すること
- インターンシップ生の労働条件、安全、衛生に関すること
- インターンシップ生の相談、苦情に関すること
- 出入国在留管理局やその他機関との連絡調整に関すること
- その他の適切な支援に関すること
インターンシップ責任者は以上の責任を負います。
インターンシップ指導員の選任
インターンシップを行う事業所に所属する受け入れ先の常勤の役員、または職員で、インターンシップ生が行う業務について1年以上の経験があるものをインターンシップ指導員(インターンシップ責任者と兼任が可能)とする必要があります。
また受け入れ先の役員とインターンシップ指導員は、過去5年以内に出入国、労働に関する法令に違反していないことが条件です。
インターシップ評価担当者の選任
各業務の理解度、習得度を確認する時期、評価項目、評価方法と評価担当者(インターンシップ責任者、指導員との兼任が可能)を明確にします。
インターンシップ生と実費、報酬について合意している
インターンシップにかかる実費(飛行機代、住居費、食費など)は受け入れ先が負担をする必要はありません。しかし、インターンシップ生との間で費用科目と負担額について同意している必要があります。またインターンシップ生から徴収できるのは実費に相当する適正な金額だけです。500円の食費で1,000円を徴収することはできません。
インターンシップの報酬は「雇用契約書」などで確認を取ります。
過去にインターンシップ生を受け入れて問題があった場合、再発防止策が講じられているか確認があります。
インターンシップの実施状況や評価結果に関する報告書を作成し、3年間保存しなければいけません。
これらインターンシップ生の支援などの業務を仲介業者に委託することが可能です。
インターンシップ生の受け入れ人数
- 常勤職員数が301人以上の場合→常勤職員数×20分の1
- 常勤職員数が201人以上300人以下の場合→15人
- 常勤職員数が101人以上200人以下の場合→10人
- 常勤職員数が100人以下の場合→5人(ただし常勤職員数以下)
ただし、受け入れ先が「第1号技能実習生」を受け入れている場合、インターンシップ生と「第1号技能実習生」の合計人数が「第1号技能実習生」の受け入れ人数を超えるときは、技能実習の邪魔にならないことを証明するインターンシップ生の指導体制やカリキュラムの説明が必要となります。
インターンシップ生が夜勤やシフト勤務をするときはその必要性や指導体制を説明しなければいけません。
インターンシップ「特定活動」の申請
必要書類
- 在留資格申請書
- 申請人の在学証明書
- 申請人が在籍する外国の大学と受け入れ先が取り交わしたインターンシップに関する契約書
- 申請人が在籍する外国の大学が発行したインターンシップの承認書、推薦状
- 単位取得など教育の一部として実施される証明(インターンシップ実施計画)
- 申請人の日本での活動内容、期間、報酬などの待遇を明らかにする資料
- 申請人のインターシップでの過去の在留歴を明らかにする資料
- 申請人の大学での修了年限を明らかにする資料
- その他、ガイドラインに規定する項目に関する資料
当事務所にできること
以上が外国の学生がインターシップをするときに必要となる「特定活動9号」に関する注意点とガイドラインの説明となります。
インターンシップ先が介護施設の場合、事業所の介護福祉士の人数などもう少し細かい注意事項がありますのでご注意ください。
外国の学生が日本の職場で知識・技術を習得するために協力をされる企業のみなさま、また希望される外国の学生のみなさま、インターンシップ「特定活動」が必要なときはJOY行政書士事務所までお問い合わせください。
在留資格・ビザを取り扱う行政書士が申請のサポートをいたします。
お問い合わせ・ご相談はこちらから
JOY行政書士事務所のホームページをご覧いただきありがとうございます。
JOY行政書士事務所は外国の学生のインターンシップを在留資格・ビザの面からサポートいたします。
相談は無料です。はじめて行政書士にお問い合わせ・ご相談をされるかと思いますがお気軽にご連絡ください。