最近は国際結婚の婚姻届の提出の条件が厳しくなっている、とのご相談をいただくことが増えました。

とくにアフリカの国の方ですと在日大使館も協力的ではなく、日本の市役所も婚姻要件具備証明書を必ず用意するように説明されるようです。

今一度国際結婚の手続きと必要書類、日本で婚姻届を提出できないときの対応について確認をしていきます。

日本での国際結婚の手続きと必要書類

国際結婚の手続きは相手の方の出身国によって日本で先に婚姻届を提出したほうがいいのか、相手の方の出身国で先に婚姻届を提出したほうがよいのか変わります。

アメリカ・中国など一部の国では日本で先に婚姻届を提出するとその国で婚姻届を提出する必要がなくなる（提出できなくなる）国もあります。このような国では先に日本で婚姻届を提出したほうが簡単です。

配偶者ビザ申請のときに相手の国の結婚証明書が提出できなくなりますが、出入国在留管理局も相手の方の出身国で婚姻届の提出ができなくなることは知っていますので問題なく配偶者ビザの許可が取れます。

日本で先に婚姻届を提出するケース

日本で先に婚姻届を提出する場合、以下の書類を市役所に提出します。

  • 婚姻届
  • お相手の方のパスポートのコピー
  • お相手の方の婚姻要件具備証明書

婚姻要件具備証明書とは、お相手の方が独身で・その国の法律で結婚ができる年齢であることを証明します。

日本は重婚を認めていませんので、結婚相手は独身でないといけません。また結婚ができる年齢はその国々によってちがいますので、結婚ができる年齢であることを相手の方の国の証明書で証明しなくてはいけません。

婚姻要件具備証明書は日本にある相手国の大使館で取ることができます。

ご本人が日本にいれば大使館で取ることも簡単なのですが、ご本人が観光ビザなどの短期滞在で日本に来ていると取れない国や、ご本人がいないと取れない国もあります。各大使館にご確認ください。

婚姻要件具備証明書が用意できないときはお相手の方から独身がわかる証明書（独身証明書）を送ってもらい、婚姻要件具備証明書の代わりにすることができます。

婚姻要件具備証明書とは独身であることの証明ですので、独身証明書がその代わりになります。結婚ができる年齢であることの証明ですが、ある一定以上なのに結婚を禁止している国はそうそうないでしょう。パスポートのコピーを提出することで年齢を確認して、一定以上の年齢であれば独身証明書だけで婚姻届が受理されていました。

が、（アフリカの国の方たちは）この方法が難しいようです。

どうして難しくなったのか！？

私がご相談を受けたケースはすべてお相手の方の出身国がアフリカでした。

ご本人がいないとアフリカの在日大使館は婚姻要件具備証明書を発行してくれません。

そのためご本人に直接独身証明書を送ってもらって婚姻要件具備証明書の代わりにできないか、と市役所に相談をしても正式に婚姻届が受理されるまで2か月以上かかると説明をされました。

婚姻届は市役所で受理されますが、市役所が受理をしていいか迷ったときは管轄の法務局が判断をします。アフリカの国の独身証明書を提出すると法務局での判断に回されるようです。

どうしてこのような対応をしているのか理由はわかりません。独身証明書の偽造が多いのか…。

ひと昔前と違って在日大使館が発行をした婚姻要件具備証明書でないと（アフリカの国の場合は）市役所は婚姻届を受理してくれないようです。

しかしアフリカの在日大使館はご本人がいないと婚姻要件具備証明書を発行してくれません。

婚姻届を提出しないと在留資格認定証明書交付申請で配偶者ビザの申請ができないのに、国際結婚の手続きができないのです。

婚姻要件具備証明書が用意できないときの対応

在日大使館が婚姻要件具備証明書を発行してくれないときはご本人を短期滞在で日本に呼び寄せるしかありません。ご本人が窓口に行けば婚姻要件具備証明書を発行してくれますので、ご本人様を短期滞在・知人訪問で日本に呼び寄せます。

短期滞在の申請をするときは90日にしてください。

15日、30日でもいいのですが、90日の短期滞在でしたら短期滞在ビザから配偶者ビザに変更申請ができます。日本に来て配偶者ビザの許可が取れましたら帰国をする必要はありません。

15日、30日ですと短期滞在ビザから配偶者ビザに変更申請をすることはできません（厳密にいえば申請はできるのですが、審査の結果が出る前に在留期間がすぎてしまいます。）

しかし短期滞在90日の許可が必ず取れるわけではありません。短期滞在の許可が難しいときはお相手の方の国に行って、先にそちらで婚姻届を提出。結婚証明書を持って現地の日本大使館か、帰国後に市役所で婚姻届を提出します。

JOY行政書士事務所にできること

婚姻要件具備証明書が発行されないときの対応について確認をいたしました。

婚姻要件具備証明書は独身であること・結婚ができる年齢であることを証明します。独身証明書が婚姻要件具備証明書の代わりになりますが、市役所が独身証明書では婚姻届を受理しないケースが見られます。

その多くがアフリカの国の方と結婚をされるケースです。在日大使館もご本人がいないと婚姻要件具備証明書を発行してくれません。

このようなときは短期滞在でご本人を日本に呼び寄せ、ふたりで婚姻要件具備証明書を受け取り、婚姻届を提出します。

婚姻要件具備証明書があれば市役所は婚姻届を受理します。

飛行機代はかかってしまいますが、90日間の短期滞在の許可で日本に来ればそのまま配偶者ビザに変更することもできます。

婚姻の手続きで悩まれている方は、一度短期滞在でお相手の方を日本に呼び寄せることもご検討ください。

日本に呼び寄せることができないときは、現地に行くしかないようです。

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