今回ご依頼をいただいたのはご自分で就労資格証明書を申請して不許可になったベトナム人の方でした。
就労資格証明書とは転職をされた外国人の方が転職先の会社・業務が在留資格で認められているのか出入国在留管理局に確認を取るための手続きです。
在留資格は外国人の方個人に与えられる許可ですが、会社の規模や業務内容・業務量も厳しく審査をされます。同じ通訳・翻訳業務であっても会社の規模が小さくなり、業務量が少なくなってしまっては許可は取れません。
通訳・翻訳業務をされていた方が営業や管理、企画などべつの業務内容に転職されたときも同じ文系の仕事だからといって許可が取れるかはわかりません。
もし転職したあとに在留資格で認められない仕事をしていると不法就労となってしまい在留期間更新許可申請でいきなり不許可になってしまいます。
不法就労をしていた過去を変えることはできませんので在留期間更新許可申請が不許可になってしまうとリカバリーが難しく、再申請でも不許可になってしまうかもしれません。
就労資格証明書の申請は絶対しなくてはいけないものではありませんが、転職した会社・業務が不安なときはしたほうがいいと思います。
また転職する外国人の方を採用する会社は不法就労にならないように就労資格証明書で許可が取れた外国人の方を採用されたほうが安心です。
就労資格証明書が不許可になったあと
今回ご依頼をいただいたベトナム人の方は、ご自分で就労資格証明書の申請をされて不許可になりました。その時点で私にご依頼をいただき、いっしょに出入国在留管理局に不許可理由を聞きに行きました。
不許可の理由はひとつ。少ない業務量でした。
もともと依頼者は管理団体で通訳・翻訳業務をするために「技術・人文知識・国際業務」の許可が取れたのですが、転職先の会社は2名の技能実習生を雇用しているだけでした。管理団体ならたくさんの受入先に数十名の技能実習生がいて通訳・翻訳業務の業務量に何の問題もありません。しかしひとつの会社に2名の技能実習生がいるだけでは通訳・翻訳業務の業務量としてはとても少なく在留資格の許可は取れません。
出入国在留管理局の審査官と業務の見直し、業務量の改善を話し合い、再申請に向けて準備をしました。
在留期間更新許可申請で無事に許可
在留期間更新許可申請は在留期間の3カ月前から申請ができます。在留期間が3カ月以上あり、在留資格で認められる業務か確認をしたいときに就労資格証明書を申請します。
依頼者は就労資格証明書が不許可になりましたが、在留期間更新許可申請が2カ月後にできるため就労資格証明書をやめて在留期間更新許可申請をすることにしました。
前回は業務量で不許可になりましたので在留期間更新許可申請ではありましたが業務内容と業務量をしっかりと説明できる書類を用意しました。
- 技能実習生のリスト
- 1日の業務スケジュール
- 依頼者の詳しい業務内容の説明書
依頼者は技能実習生と同じ寮に住んでおりプライベートでは兄のように慕われています。技能実習生の生活サポートは管理団体の業務であり通訳・翻訳を行う会社の従業員の業務として認められないのではないかと思いましたが、出入国在留管理局に確認をしたところ技能実習生の生活サポートも業務として無事に認められました。
また運よくコロナ禍で入国が遅れていた技能実習生3名が来日していたため会社内での業務量も問題なく説明ができました。
JOY行政書士事務所にできること
すでに在留資格の許可を持っているからといって転職したあともそのまま働くことができるとは限りません。会社の規模、業務内容、業務量が変われば不許可になることがあります。
就労資格証明書を申請して転職先のお仕事でも在留資格の許可が取れるのかご確認ください。
もし就労資格証明書が不許可になってしまったときは私が不許可理由をいっしょに聞きに行きます。不許可理由を正確に理解をしてリカバリーをしていきましょう。
JOY行政書士事務所は就労資格証明書が不許可になったあとも在留期間更新許可申請で許可を取った実績があります。
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