在留資格は外国籍の方が日本で行う活動によって変わります。日本で専門性の高い仕事をするためには「技術・人文知識・国際業務」を申請しますし、日本の学校で教えるためには「教育」を申請します。
そのため、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格ではいくら語学が堪能だといっても学校で教えることができませんし、「教育」の在留資格では通訳・翻訳業務はできません。
同じように、「教育」は学校(小学校・中学校・高校)で教えるための在留資格ですので、大学や高等専門学校で研究や指導することはできません。
大学や高等専門学校で研究や指導するための在留資格は「教授」になります。
在留資格「教授」について
「教授」が該当する範囲
大学や高等専門学校での役職は、学長、所長、校長、副学長から教授、准教授、講師、助手など、在留資格は「教授」とされていますが、役職を問わず大学や高等専門学校で研究、研究の指導や教育の活動をしていれば該当します。非常勤講師であっても問題ありません。
また”大学”ですが、短期大学を含め、大学院、大学の別科、大学付属の研究所など”大学に準ずる機関”や”大学共同利用機関”も該当します。
水産大学校、海技大学校(分校を除く)、航海訓練所、航空大学校、海上保安大学校、海上保安学校、気象大学校、防衛大学校、防衛医科大学校、職業能力開発総合大学校、国立看護大学校など
国文学研究資料館、国立極地研究所、国立遺伝学研究所、統計数理研究所、国際日本文化研究センター、国立天文台、核融合科学研究所、国立情報学研究所、総合地球環境学研究所、分子科学研究所など
ほかにも独立行政法人大学入試センターや、テンプル大学ジャパン、北京語言大学東京校、国際連合大学が含まれます。
ただし、各省庁所轄の大学校(警察大学校など)や道府県立の農業大学校、株式会社、学校法人、財団法人などが設立した大学校は”大学に準ずる機関”には含まれませんのでご注意ください。
これらの学校で働く場合は「技術・人文知識・国際業務」で申請ができないか検討をします。
「教授」の報酬
就労系の在留資格では、安定して・継続して生活ができる一定以上の収入を得られることが許可の条件となります。
しかし在留資格「教授」では、資格外活動許可によって得られる収入をプラスすることができます。
資格外活動とは、その在留資格で認められていない報酬を得る活動(資格の外の活動)のことをいいます。
たとえば在留資格「教授」は大学での研究、教育のみが認められていますが、資格外活動許可を取ることで高校での教育、また本の出版などほかの在留資格で認められている活動ができるようになります。
簡単にいえば資格外活動許可を取れば副業のアルバイトが認められ、「教授」ではそのアルバイト代も含めて報酬としてカウントされます。
ただし、メインとなる「教授」の報酬よりもサブである副業のほうが報酬が高い場合、メインとサブが入れ替わってしまいますので、副業の活動をメインとしてほかに該当する在留資格を申請しなければいけません。
また報酬を受けない活動をすることは自由にできますので、外国の大学に所属する教授が日本の大学などから報酬を受けないで招かれた場合は「短期滞在」、90日を超えて日本で活動をするときは「文化活動」の在留資格を申請します。
勘違いしてはいけないのが、この”報酬を受けない活動”とは、外国の大学などから報酬を得ているときは該当しません。報酬を支払うのが日本の大学でも、外国の大学であっても日本で行っている活動に対する報酬であれば報酬を受ける活動になります。
また実費(宿泊費、交通費などを含む滞在費)をこえる支払い、日本人の教育関係者の報酬をこえる奨学金は報酬とみなされます。報酬を実費や奨学金などと名前を変えても外国籍の方の収入となるものは報酬と考えます。
ほかの在留資格との関係
在留資格「教授」は
- 「研究」と違い上陸許可基準がありません。学歴、研究経験などが問われません。
- 「研究」と違い研究の指導や教育ができます。
- 「研究」と違い、大学や高等専門学校以外の機関・施設で研究ができません。「研究」は特殊法人、認可法人などで研究ができます。
- 「文化活動」と違い報酬を得ることができます。「文化活動」は実費の範囲内であれば支給を受けても問題ありません。
まとめ
在留資格「教授」についてご説明しました。「教授」といっても大学・高等専門学校で働く外国籍の方全員が申請をする在留資格です。また大学以外でも大学に準ずる機関等であれば働くことができます。
資格外活動許可で得る報酬を含めて申請ができる点も特徴的ですが、出入国在留管理局への説明は大変かもしれません。
JOY行政書士事務所では外国籍の方が大学・高等専門学校で働くことができるようにサポートいたします。在留資格「教授」でお困りの際はJOY行政書士事務所までお問い合わせください。
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