ご自身で申請をされましたが一度不許可になってしまい、当事務所にご依頼をいただくことで無事に許可が取れたケースです。生計能力=生活費の説明のために不許可になってしまいましたが、しっかりとリカバリーができました。
生計能力の審査が厳しくなっている?
このブログでも何度も書いていますが、在留資格「日本人の配偶者等」(配偶者ビザ)は”偽装結婚でないか?”だけが審査をされなければいけません。日本人の配偶者であれば許可が取れる在留資格です。
しかし、出入国在留管理局は生計能力に疑義がある=生活費がないといった理由だけで不許可にします。これは裁判を無視した審査ではありますが、出入国在留管理局が一度不許可にした審査は裁判をして結果の取り消しを求めることしかできません。裁判をしても結果は変わりません。結果が取り消されてもう一度審査をされるだけです。
今回のケースでは2度、生計能力の疑義で不許可になりました。
依頼者様は2年ほど海外を周り、その中で奥様にお会いしてご結婚されました。日本に戻ってきてすぐに在留資格認定証明書交付申請をされましたが、就職先はまだ決まっていませんでした。
このような場合、課税証明書を提出しても0円ですので過去の収入の実績を証明できません。現在も定職に就いていないため将来的な収入の証明もできません。
依頼者様は最初の申請でご両親の支援と貯金額を提出されました。行政書士事務所のホームページの多くが、無職の方が申請をするときにはご両親の支援や残高証明書を提出するように説明をしているかと思います。
これは決して間違いではありません。ご両親の支援や貯金額があればすぐに生活保護などの社会的支援を受ける心配はありませんし、許可を出すべきだと私は考えます。だから少し前はご両親の支援や残高証明書で許可が取れていました。
しかし最近の出入国在留管理局は本人の収入を大切に審査します。
- ずっとご両親の支援を受けられないのではないか?
- 貯金だけではすぐに生活が苦しくなるのではないか?
と考えているようです。
生計能力の審査が厳しくなっているように思ってしまいます。
不許可理由について
”偽装結婚”でなくても生計能力について説明ができなければ許可が取れない可能性があります。
ただし、生計能力はあくまで消極的な理由で、それだけで不許可にしてはいけないとした裁判所の意見を出入国在留管理局にしっかりと伝えるべきです。生計能力にご不安があるときは行政書士にご依頼することも大切だと考えます。
今回のケースでは、2度目の申請で依頼者様の就職が決まりました。貯金も前回同様問題なくあります。それでも不許可になりました。
審査官から不許可理由を聞き取りましたが、収入の実績、とのことでした。
現在就職をしていても、過去の課税証明書が0円のこと、就職が決まってから2、3カ月しかたっていないことが不許可の理由です。
審査官はハッキリと「このご夫婦は偽装結婚ではないですが」と説明しています。”偽装結婚”ではないのに不許可になったのです。
リカバリー方法
審査官は収入の実績作りのために新しい課税証明書ができるまで申請をしないように説明しました。新しい課税証明書が発行されるのは1年後です。”偽装結婚”ではないご夫婦を1年以上離れ離れにさせる権利が出入国在留管理局にあるのかとても疑問です。
私から1年間は待てないことを伝え、
- 現在も継続して働いている証明として今まで発行された給与明細
- 安定した収入があることの証明として勤務先が作成した給与見込証明書
以上を用意して再申請をするので早急に結果を出していただくように願出ました。
JOY行政書士事務所にできること
このようなこともあり依頼者様ご夫婦にはご心配をおかけしましたが、無事に許可を取ることができました。今後も生計能力の審査が厳しくなっていくかもしれません。残念ながら出入国在留管理局の審査は日本政府の考え方に大きく左右されます。
少し前の方法で申請をしても、今は通用しないかもしれません。理不尽な理由で不許可になるかもしれません。
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