日本語学校を卒業した外国人留学生の就職活動は大変難しく、就職先が決まらなかった留学生は進学をするか、帰国をするしかありません。

しかし、国家戦略特区(東京、神奈川、千葉、大阪、愛知など)では県内の企業がグローバルに成長するために、海外の大学等を卒業した優秀な留学生を受け入れるために日本語学校を卒業した留学生も継続就職活動のための「特定活動」が認められるようになりました。

継続就職活動のための「特定活動」

もともと日本の専門学校、短大、大学を卒業した留学生が就職活動を続けるための在留資格がありました。それが”継続就職活動のための「特定活動」”です。「特定活動」の9番目に記載があるため「特定活動9」とも言われます。

この「特定活動9」ですが、在留期間は6か月で1回の更新ができます。最長1年間日本で引き続き就職活動をするための在留資格です。

専門卒、大卒の留学生が必要な書類

  1. 在留資格変更許可申請書
  2. パスポート、在留カード
  3. 就職活動中の生活費の説明
  4. 大学の卒業証書(専門学校を卒業した場合は卒業証書、成績証明書、「専門士」を取得したことがわかる証明書)
  5. 学校の推薦状
  6. 就職活動を行っていたことがわかる資料

継続就職活動のための「特定活動」のため、在学中に就職活動をしていなければいけません。留学生の母国では学校を卒業したあとに就職活動をはじめるため、学校に通いながら就職活動をする日本の慣習がわかっていない留学生がいます。進路指導室の先生は注意が必要です。(注意をしていても就職活動をしない留学生が多いのですが)

就職活動中の生活費ですが、今までどおりアルバイト(資格外活動)で問題ありません。しかし「留学」から「特定活動」に在留資格を変更するため、留学生のときにオーバーワークをしていると不許可になります。また就職活動中は留学生ではなく学校と違い長期休暇はありませんので週40時間のアルバイトはできなくなります。

専門学校を卒業した留学生も「特定活動9」に変更できますが、日本で就職するためには「専門士」の称号が必要です。専門学校によっては「専門士」の称号が取れませんので注意してください。

最後に、学校の推薦状が必要ですが、推薦状を出してくれない学校がたくさんあります。これは出入国在留管理局に言っても、私たち行政書士に言っても学校のルールのため何もできないかもしれません。もし就職活動をがんばっても就職ができなかったときに「特定活動9」に必要な推薦状を出してくれるのか、入学するときに確認をしなければいけません。

日本語学校を卒業した留学生の特定活動

上記の「特定活動9」に特区にある日本語学校を卒業した留学生が追加されたのが今回の処置です。

必要な書類

  1. 在留資格変更許可申請書
  2. パスポート、在留カード
  3. 就職活動中の生活費の説明
  4. 日本語学校の卒業証書
  5. 日本語学校の出席証明書
  6. 海外の大学、大学院を卒業した証明書
  7. 日本語学校の推薦状
  8. 就職活動を行っていたことがわかる資料
  9. 日本語学校と定期的に面談を行う誓約書
  10. 日本語学校が要件を満たしていることがわかる証明書

日本語学校を卒業した留学生であっても、海外の大学以上(学士以上)でなければ許可は取れません。そのため海外の大学、大学院の卒業証書が必要です。
また専門学校などとは違い、出席証明書が必要になりますし、日本語学校と定期的に面談をしなければいけません。

そして1番の違いは要件を満たしていない日本語学校でない場合は、留学生に問題がなくても許可が取れないことです。

日本語学校の要件とは

  • 「留学告示」に基づいた日本語学校である
  • 直近3年間連続で出入国在留管理局から「適正校」と認められている
  • 職業紹介事業の許可の取得か届出を行っているか、日本語学校に就職を目的とするコースがある
  • 外国人留学生の就職支援について実績がある
  • 卒業後も外国人留学生と定期的に面談を行い、就職支援を実施する。面談結果を地方自治体に報告する
  • 地方自治体との連携が図れること
  • 外国人留学生が就職できなかったときは帰国について指導する

以上の要件を満たしている日本語学校には特区自治体から認定証明書が交付されます。認定証明書の有効期間は1年間です。1年ごとに更新する必要があります。

まとめ

日本語学校を卒業した外国人留学生にも「特定活動9」、継続就職活動のための「特定活動」が認められるようになりました。

外国人留学生は、①海外の大学を卒業している、②在学中に就職活動をしているなどの条件があります。

それ以上に日本語学校は地方自治体に申請をして、上記の条件をクリアしなければいけません。大変な作業ではありますが、日本で就職を希望する外国人留学生のサポートが必要です。

申請書等の作成でお困りの場合、在留資格の変更でお困りの場合はJOY行政書士事務所にお問い合わせください。