農林水産省が飲食料品製造業分野の特定技能1号に関するよくあるお問い合わせについて回答を発表しました。2020年11月現在、特定技能外国人が一番働いている業種が飲食料品製造業分野です。申請をされる企業も多いと思いますので、よくあるお問い合わせについて確認してみたいと思います。
よくあるお問い合わせと回答
食料品、飲料(酒類を除く)を製造加工し、卸売する事業所が対象です。
畜産食料品、水産食料品、缶詰、漬物、調味料、パン、菓子、めん類、冷凍食品、惣菜、清涼飲料、茶・コーヒー等の製造業が含まれます。
また製造と小売を一体的に行っている菓子・パン製造小売、豆腐・かまぼこ等加工品食品小売業も対象となります。
日本産業分類において、中分類 09 食料品製造業、小分類 101 清涼飲料製造業、小分類 103 茶・コーヒー製造業(清涼飲料製造業を除く)、小分類 104 製氷業、細分類 5861 菓子小売業(製造小売)、細分類 5863 パン小売業(製造小売)、細分類 5897 豆腐・かまぼこ等加工食品小売業(*製造小売に限る)が対象となります。
”卸売”が条件ですので、消費者に販売する(小売り)事業所はパン・菓子、豆腐やかまぼこ等の製造と小売りが一体となった一部の事業所だけ認められています。
スーパーマーケットが運営するバックヤードはスーパー(小売業)の機能の1つであるため、対象外です。
ただし、バックヤードの運営会社が別会社の場合はスーパーマーケット内であっても区画ごとに事業者が違いますので、対象です。
またスーパーマーケットの売上の半分以上がバックヤードで製造・加工した飲食料品である場合は対象とすることが可能です。
小売業は飲食料品製造業ではありませんのでスーパーマーケットは対象外ですが、スーパーマーケットの敷地内を借りて飲食料品を製造している会社、また売上の半分以上(過半)が製造・加工した飲食料品のスーパーマーケットは飲食料品製造業と考えられるため対象となります。
小売業者や卸事業者等向けに納品する食品を製造・加工する事業所(いわゆるプロセスセンター)は対象です。
精肉加工、水産物加工、惣菜の製造などを行う事業所が該当します。
外食業の店舗での調理に代わり、料理品及び原材料の製造・加工をしている事業所(いわゆる集中調理施設、セントラルキッチン)は対象です。
フランチャイズを展開する外食業は、工場で調理をした料理品を店舗で提供する(セントラルキッチン)を採用するお店があります。店舗で働く場合の特定技能は「外食業」ですが、工場で料理品を製造・加工する場合の特定技能は「飲食料品製造業」となります。
小売業者や卸事業者等向けに納品するために、精肉加工をする事業所は、対象です。ただし、その業務の売上げ等が全体の2分の1を超えていることが条件です。
洗浄(・消毒)後に選別、包装(パック詰め)し、小売業者や卸事業者等向けに納品する事業所(いわゆるGPセンター)は対象です。ただし、その業務の売上げ等が全体の2分の1を超えていることが条件です。
小売業者や卸事業者等(消費者を除く)向けに納品する水産加工品、例えば刺身、切り身等を製造する事業所は対象となります。ただし、その業務の売上げ等が全体の2分の1を超えていることが条件です。
飲食料品製造業ですので、肉・卵・魚も直接消費者に販売する事業所(小売業)は対象外となります。
野菜を仕入れて、すぐに調理に使用できるようにカット(炒め用やサラダ用)したものを、小売業者や卸事業者等向けに納品する事業所は対象です。ただし、売上げ等が全体の2分の1を超えていることが条件です。
野菜を仕入れて、キャベツを半分にカットしたり、しいたけの石づきをカットしたりするなど、軽微な加工を行う場合は卸売業に該当するため対象外で、野菜を栽培し、同じ事業所内でしいたけの石づきを切るなど、軽微な作業の場合は「農業」に該当するため対象外です。
お弁当(惣菜等)を製造し、小売業者や卸事業者等向けに卸売する事業所が対象です。
消費者に販売しない場合は「飲食料品製造業」です。
しかし消費者に販売する場合、たとえばデリバリー・持ち帰り弁当・仕出し弁当などの製造・販売は特定技能「外食業」に該当します。
またお弁当を仕入れて、販売するときは小売業ですので特定技能の対象外です。
事業者の主たる業務が飲食料品の製造でなくとも、製造を請け負った事業所において、主たる業務で飲食料品の製造・加工の業務を行っていれば対象です。
ただし、この場合、業務請負契約が締結され、請け負った事業者からの指示・命令がされていることが条件となります。
関連業務であるパック詰め、検品、箱詰め、運搬業務に専ら従事することはできません。
しかし、特定技能外国人と同じ業務に従事する日本人が関連業務として付随的に従事しており、この日本人従業員と同程度であれば、従事することは差し支えありません。
特定技能外国人は特定技能試験に合格した、一定以上の能力を持っていることが在留資格の条件です。そのため、一定以上の能力を業務でいかす必要があり、パック詰めなどの作業だけをさせることができません。
あくまで同じ業務をしている日本人従業員がメイン業務とは別にサブ業務としてやっているときに、日本人従業員と同じサブ業務として同じ業務量であれば認められます。
当事務所にできること
農林水産省が発表した飲食料品製造業分野の特定技能1号に関するQ&Aを簡単ながらまとめて解説をしました。
これだけでも判断が難しいことがわかります。特定技能外国人を採用したいけど、会社で採用することができるのか、何に注意をしたらいいのか、いろいろと悩まれることかと思います。
そのようなときはJOY行政書士事務所までお問い合わせください。貴社で特定技能外国人が働くことができるようにサポートいたします。