新型コロナウイルスのためにアルバイト時間が減ってしまい、住民税などの税金を支払うことができない外国人留学生が増えています。
今回ご依頼をいただいた留学生の方は、「留学」から「技術・人文知識・国際業務」に在留資格を変更しました。
「技術・人文知識・国際業務」は会社の規模によってカテゴリーが決められており、そのカテゴリーによって提出書類が変わります。
日本の会社は中小企業のほうが多いので、多くの外国人の方はカテゴリー3の会社で申請をすることになるでしょうか。カテゴリー3での申請はたくさんの書類を提出することになります。
特にカテゴリー3の会社になると申請される方の課税証明書、納税証明書を提出しますので、外国人留学生はカテゴリー2の会社だったらバレなかったかもしれないオーバーワークがバレて在留資格変更許可申請が不許可になります。
さらに納税証明書に未納額があると在留状況が不良と判断され不許可になる可能性が出てきます。
出入国在留管理局に提出する納税証明書は住民税です。1年前の収入から税金が決まりますので新型コロナウイルスのためにアルバイト時間が減った方は納税が大変かもしれませんが、税金を支払うことができないときは”ムシ”をしないで、しっかりとお住いの市町村に相談をしてください。
納税証明書の見方
納税証明書はお住いの市町村によってフォーマットが変わります。私もはじめて見る納税証明書はどこに何が書いてあるか迷ってしまいますが、簡単な納税証明書を下に書きます。
納付すべき額 | 納付済額 | 納期到来未納額 | 納期未到来 未納額 |
50,000円 | 15,000円 | 15,000円 | 20,000円 |
「納付すべき額」は1年前の収入によって決まった税金の金額です。税金は手続きをすれば銀行口座から引き落としにできますが、手続きをしていない方には決まった時期に税金の納付書が届きます。「納付すべき額」1年分を一括で支払うか、1年分を4分割して支払わなければいけません。納付書はなくさないで、納付期限を守って納税してください。
「納付済額」は支払った税金の金額です。
「納期到来未納額」は納付期限がすぎているのに納税していない(支払っていない)税金の金額です。これが0円でないと出入国在留管理局に在留状況不良と判断され、在留資格の申請が不許可になるかもしれません。
「納期未到来未納額」は納期未到来=納付期限がきていない税金の金額です。未納額と書いてあるのでびっくりしてしまいますが、納付期限がきていないのでここに金額が書かれていても問題ありません。たまたま納税証明書を取った時期に納付期限がきていないだけなので、納付期限を守って納税すれば大丈夫です。
もし市役所で取った納税証明書に「納期到来未納額」に金額が書かれている場合は市役所で相談をし、すぐに納税をしてください。納税をしたあとに納税証明書を取り直せば「納期到来未納額」が0円になっています。「納期到来未納額」が0円の納税証明書を出入国在留管理局に提出しましょう。
しかし、すぐに未納額すべてを納税できないかもしれません。その場合は市役所に相談してください。
納税証明書に「納期未到来未納額」があったときの対応
在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請では在留状況を審査されます。これは在留期間中に日本の法律を守っていたのか、の審査です。納税は憲法が定める義務ですので在留資格の申請でも審査されます。
今回のケースでは、納税証明書に未納額があったためにその説明をしなければいけませんでした。申請人は新型コロナウイルスのためにアルバイト時間が減ったことを市役所と相談をしていたため、「○○市延滞確認」の印鑑が押された納付書を持っていました。
これは納付期間がすぎたあとも市役所と相談をしていたことの証明になります。また市役所と相談したあとにしっかりと納付が終わっている納付書を出入国在留管理局に提出しました。
納付期限がすぎると延滞料を支払わなければいけません。新型コロナウイルスなどの事情があり税金を支払えないこともありますが、市役所に相談なく納付期限がすぎてしまうことは出入国在留管理局の印象を悪くするでしょう。
今回は納税ができなかった事情の説明と、市役所に相談をしていることの説明、少しずつ納税している証明をすることで無事に許可が取れました。
申請人の方は税金を支払っていなかったために許可が取れるか心配されていましたが、許可が取れてとても喜んでくれました。これからはしっかりと働いて、少しずつですが納税してくれると思います。1年後の在留期間更新許可申請では、未納額が0円になった納税証明書が提出できるでしょう。