配偶者ビザ、就労ビザ、どちらも永住許可申請をするまでに転職をした方の永住不許可が増えています。新しい会社で働くまでに無職の期間があって、年金や健康保険の未納や未加入、支払い遅れがあるためです。
今の永住許可申請は1日でも年金・健康保険・税金の支払いが遅れてしまうと不許可になるといわれています。必ず転職をするときは年金・健康保険の手続きをしてください。
会社で働いているときの年金・健康保険はだれが払っているのか
日本の年金の支払いは3つあると考えられます。
- 第1号被保険者―自営業や学生、無職の方など。会社で働いていない方たち
- 第2号被保険者―会社員や公務員など、会社で働いている方たち
- 第3号被保険者-第2号保険者に扶養をされている20歳以上60歳未満の配偶者
この中で第2号と第3号は厚生年金にも加入をしますので、会社が働いている人たちに代わって年金・健康保険・税金の支払いをしています。これは年金・健康保険を会社と従業員が半分ずつ支払っているためです。会社も年金の負担をしているのです。
そのため会社で働いているときは自分で年金などを支払う必要はありません。どうせ会社が半分支払うのだから、と会社と従業員の分をいっしょに会社が支払っています。雇用契約書に書かれている給料よりももらえる給料が低くなってしまいますが、自分で支払う年金などの金額を会社が代わりに支払っています。
しかし会社を辞めてしまうと、当たり前ですが会社が代わりに支払ってくれません。自分で年金・健康保険・税金を支払うのです。
会社を辞めたあとの年金の手続き
日本の会社を辞めるとき、1カ月ほどたまった有休を使う方が多いかと思います。このとき、会社を辞めたタイミングはすべての有休を使った最後の日です。年休は会社にいないと使うことができません。最後に会社に行った日ではありません。有休の最後の日が退職日になりますのでご注意ください。
すぐに新しい会社で働く人
1月31日に会社を辞めて(有休をすべて使って)、2月1日から新しい会社で働く人は自分で何もする必要はありません。前の会社と同じように年金などの手続きは新しい会社がすべてしてくれます。会社の指示に従って入社書類をご用意ください。
この場合は1日も空白期間がありませんので、引き続き厚生年金に加入します。
新しい会社で働くまでに無職の期間がある人
新しい会社で働くまでに無職の期間がある人はご注意ください。
まず、前の会社を退職してから14日以内に市役所か年金事務所で年金の手続きをします。このとき、条件をクリアして厚生年金を2年間継続するか、国民年金に加入するか、免除を受けるか選びます。
厚生年金を2年間継続したほうが将来受け取る年金も増えますし、永住許可申請をするときも厚生年金の記録だけのほうが申請は簡単ではないでしょうか。しかし厚生年金は半分を会社が負担しています。その会社分も自分が支払うことになりますので、国民年金よりも支払う金額が増えるかもしれません。
どちらがお得か年金事務所でご確認ください。
厚生年金を継続しないときは国民年金に加入をします。あとで転職をするといっても、無職の期間があるときは第2号被保険者ではありませんので第1号として国民年金に加入します。
ただ年金の支払いが難しいときは免除(猶予)を申し出ます。免除を受けると年金の受給資格期間(10年以上受給資格期間がないと年金を受け取ることができない)にカウントされますが、将来受け取る年金は少なくなります。また永住許可申請のときに免除期間があると「なぜ免除期間があるのか」説明したほうがいいです。年金の免除=収入が少ないとみなされますので、永住許可申請が難しくなるでしょう。
“2週間後に新しい会社で働くので国民年金の手続きは必要ない”、といわれる方がいますが、これは間違いで永住許可申請が不許可になります。
たとえば、1月31日に前の会社を辞めて、2月16日から新しい会社で働くとき、年金の手続きは必要でしょうか?
無職の期間が2週間であっても年金の手続きは必要です。
このとき、2月1日から2月15日までは厚生年金を継続するか、国民年金に加入しないと年金が未加入になってしまいます。月の途中から新しい会社で働きますので年金の支払いは必要ありませんが、年金期間は未加入です。
まとめ
永住許可申請をしたら不許可になった。出入国在留管理局に不許可理由を確認したら転職をしたときに年金の未加入、支払い遅れの期間があった、とご相談を受けます。
ご説明したとおり、日本では無職の期間があるときは年金の手続きをしなければいけません。国民年金の支払い義務がなくても無職の期間は国民年金に加入しなければいけません。
また1カ月ほど無職の期間が続くと、国民年金の未納、支払い遅れが出てきます。1日でも年金の支払いが遅れると永住許可申請は不許可になります。必ず市役所か年金事務所で年金の手続きをしてください。
永住許可申請が不許可になったときは、1年しっかりと支払った実績を作ってから再申請をするか、未納期間がなくなるまで待ってから再申請をする必要があります。どちらにしろ長く待たなければいけません。
1回の申請で永住の許可が取れるように、転職をする、会社を辞めるときは所属機関に関する届出とともに年金の手続きも忘れずにしてください。
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