「技術・人文知識・国際業務」の認定申請をさせていただいたネパール人の方から、奥様を日本に呼び寄せたいとのご依頼をいただきました。

すでに働いて3か月がたち、日本での生活も安定した中での申請でしたが、奥様が過去にオーバーワークのために専門学校を退学して、そのあとに「難民申請」をされたとご説明を受けました。

在留資格認定証明書交付申請ですので、本来でしたら過去の在留状況は審査されません。認定申請はあくまで①在留資格該当性と②上陸許可基準だけが審査されます。

「家族滞在」では①日本に滞在する外国人の方の配偶者、または子であり、②日本で安定的・継続的に生活ができる生計能力があれば許可が取れるはずです。

しかし、最近の出入国在留管理局は認定申請であっても今回の申請とは関係がない過去の在留状況を聞いてきます。これは裁判所が認めていないことなのですが、出入国在留管理局から質問があったときは正直に答えるしかありません。

出入国在留管理局から聞かれたこと

今回のケースでは出入国在留管理局から追加資料で”申請人の過去の在留状況を詳細に説明した文書”を求められました。

奥様は留学生のときにオーバーワークになり、「留学」の更新許可申請が不許可になりました。その後日本に残るために「難民申請」をし、旦那様とご結婚をされましたが、「難民申請」が不受理となり帰国されています。

過去の在留状況ですので、まずはオーバーワークの説明をしました。6年前のことであり詳細の金額まではわかりませんでしたが、深く反省していることを説明します。また「難民申請」をして3年後に不受理になったことを書きました。

しかしこれだけでは出入国在留管理局は納得されず、さらに「難民申請」をした理由とネパールに帰国をしてどのような生活をしているのか説明を求められました。

「難民申請」とは、帰国をすると身の危険があるために日本での生活を求めるための申請です。ネパールに帰国後、何事もなく生活をしていたら偽装申請をしたことになってしまいます。偽装申請は出入国在留管理局が最も嫌います。

奥様に「難民申請」をした理由を思い出していただき、さらにネパールでの生活についてヒアリングをして出入国在留管理局に提出をしました。

まとめ

過去の在留状況の説明に大変苦労しましたが、無事に許可が取れました。在留資格認定証明書交付申請であっても、過去の在留状況がきびしく審査されます。

過去の在留状況を理由に不許可になったときはJOY行政書士事務所までお問い合わせください。過去を変えることはできませんが、しっかりと説明をすることで今回のように許可が取れるかもしれません。