外国人留学生の定員超過をしていた東京福祉大学系の専門学校が当面の間、国際教養学科と国際ビジネス情報学科の募集を停止することとなりました。
この専門学校は定員640人のところ7倍を超える計4,739人を受け入れていたとのことです。全4学年で約5,000人の学生ということは、1学年1,200人が在籍していることになります。その内、国際教養学科の卒業生と国際ビジネス情報学科の卒業生は進路先を決めなければいけません。しかし国際教養学科を卒業する1,200人+国際ビジネス情報学科を卒業する1,200人、合わせて2,400人の外国人留学生が日本で就職できるわけがありません。
現状、日本に滞在する外国人留学生の30%しか就労ビザの許可が取れません。単純計算で東京福祉大学系の専門学校を卒業する2,400人の内720人しか就労ビザが取れない計算になります。(専門学校では在留資格の許可要件が厳しく実際はもっと就職できていないはずです)

では、残りの1,600人はどこにいくのでしょうか。

専門学校のHPを読むと国際教養学科から国際ビジネス専門学校の内部進学が多いことが見て取れます。今後国際ビジネス情報学科の募集を停止するということは、国際教養学科を卒業するが就職先が決まらなかった留学生の進学先がなくなることを意味します。
また東京福祉大学は研究生の募集も停止しています。これは大学院に進学するには学力が足りない留学生の受け皿がなくなったことを意味し、国際ビジネス情報学科を卒業するが就職先が決まらなかった留学生の進学先がなくなることを意味します。

今年度、名古屋に1,600人の行き場を失った外国人留学生が出てくるのです。

もしかしたら、なし崩し的に専門学校の定員が増えるかもしれません。定員の上限が増えれば、逆説的に定員超過の問題は解決し留学生の受け入れが再開されるかもしれません。しかし、定員の増加は愛知県の判断に任され、今年度中に結論が出るかわかりません。外国人留学生は内部進学以外の進路先を見つけない限り、母国に帰国するしか道はなくなります。

では、どのような進路先があるのでしょうか。

ほかの大学に進学するか

日本人学生は就職活動に失敗したら留年することがあります。一時期はやった方法です。新卒一括採用の日本の就職活動では有効な手段だったのかもしれません。
しかし外国人留学生の場合、在留資格の更新の問題が出てきます。留年をすると在留状況が不良ということで在留資格の更新が難しくなるでしょう。

就職先が決まらなかった留学生はほかの大学に進学します。アルバイトの給料があれば十分日本で生活ができて借金が返せるのでしょう。
しかし専門学校から大学の3年次編入はまだわかりますが、専門学校から専門学校に進学して留学ビザの更新ができるのでしょうか。大学を卒業した後にほかの大学に進学して留学ビザの更新ができるのでしょうか。かなり危ない橋を渡っているように思われます。

今後、留学生を受け入れているすべての学校の在留管理が厳しくなっていきます。その場合、学校は日本語能力の低い学生の受け入れができなくなるでしょう。日本語能力試験N2も取らず、ただ学校を放浪するだけでは日本に滞在できなくなるでしょう。

夏休みでも就職活動をするしかない

今年度、東京福祉大学系の専門学校を卒業する外国人留学生は就職活動をするのが一番だと考えます。他校に進学できるのはわずかな人数だけです。他校に進学後、留学ビザの更新ができるかもわかりません。
「特定技能」ですが、1,600人も受験ができるほどのキャパシティーがありません。運よく試験に合格しても「特定技能」で働ける企業があるのか不明です。もちろん「特定技能」を目指してもいいのですが、「特定技能」だけでは苦労するでしょう。

就職活動、就労ビザに必要なのは専門性です。学習内容に合った業務内容を行っている会社にエントリーをしてください。
また12月に行われる日本語能力試験N1に合格できるように勉強をしてください。N1を持っていると就職先が広がります。大卒の学歴を得る国際ビジネス情報学科を卒業した留学生なら新しい「特定活動」でサービス業などで働くことができます。

就職活動をがんばっても就職ができる外国人留学生は30%です。1,600人は就職できません。
そのときは「継続就職活動のための特定活動」を申請します。この在留資格は在学中に就職活動をしていた外国人留学生が”引き続き”日本で就職活動をするために許可される在留資格です。
大切なポイントは”引き続き”です。お国柄ベトナム人やネパール人など外国人留学生は学校を卒業した後に就職活動を始めます。しかし、日本の就職活動は卒業の1年前(もっと前)から始まっています。「継続就職活動のための特定活動」も在学中から就職活動をしていた留学生しか許可が取れません。
今からがんばって就職活動を続けていかなくてはいけません。

まとめ

内部進学先がなくなったため、1,600人の外国人留学生が行き場をなくします。帰国する留学生もいるでしょうが、多くの留学生は借金をして来日しています。また日本という安心・安全な国で上手くいかない場合、母国での評判が下がり母国で何もさせてもらえなくなると聞きます。
留学生は簡単に帰国できません。

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