外国人留学生の中には来日前に結婚をしている留学生が多いです。彼らは日本でお金を稼ぎ、いつか家族を日本に呼び寄せることを夢見て勉強をしています。
このような外国人留学生は母国に仕送りをするためオーバーワークになりがちです。

いっそ在学中に家族を日本に呼んでしまえば、留学生の生活が安定し、オーバーワークの心配もなくなると思われます。

「家族滞在」のメリット・デメリット

「家族滞在」のメリット

  • 配偶者が日本でアルバイトをすれば収入が2倍になる
  • 家事の分担により学業に集中できる
  • 将来的に家族滞在ビザを就労ビザに変更することで安定した生活が目指せる

留学生が一番気をつけなければならないことはオーバーワークです。オーバーワークをすると留学ビザの更新、就労ビザの変更、すべての在留資格の不許可理由になります。しかし学費を支払うため、母国の家族に仕送りをするため、外国人留学生はオーバーワークをしてしまいます。

家族と一緒に住むことで、仕送りの心配が減ります(両親に仕送りをする留学生もいますが)。また「家族滞在」は資格外活動許可を取ることでアルバイトが可能です。夫婦2人で250万前後の収入があれば安定して暮らせます。

外国人留学生の多くは生活費の兼ね合いで4人から6人が一緒に生活をしています。これではなかなか集中して勉強ができません。家族と一緒に住むことで住環境が安定し、勉強もはかどります。

また家族滞在ビザは就労ビザに変更も可能です。母国の学歴から「技術・人文知識・国際業務」に変更するのもよし、技能測定試験に合格して「特定技能」に変更してもよし。2人で働くことでより日本で安定して生活ができます。

「家族滞在」のデメリット

  • 留学生同士の結婚ではどちらかが学校を辞めてしまう
  • 留学ビザから家族滞在ビザではアルバイト時間が減る
  • 留学生の「家族滞在」は難しい

「家族滞在」のメリットは外国人留学生が母国の配偶者を呼ぶときのメリットです。留学ビザから家族滞在ビザの変更は多くのデメリットがあります。

まずは留学生同士の結婚で、夫婦のどちらかが学校を辞めてしまうケースです。
学費を払いたくないため留学ビザから家族滞在ビザに変更をしたいと留学生から相談があります。しかし母国の学歴が高卒どまりの留学生が日本の専門学校を退学すると「技術・人文知識・国際業務」で働くことが不可能になります。

そのアルバイトですが、「家族滞在」は週28時間しかできません。留学ビザと違い長期休暇がありませんので、留学生と同じように夏休みなどに週40時間のアルバイトができません。結果、留学生のころよりも収入は減ります。「家族滞在」で毎日8時間のアルバイトができると勘違いする留学生がいますが、それは間違いです。

「家族滞在」の申請には扶養者(この場合は留学生)の収入=生活支弁能力を証明しなくてはいけません。オーバーワークが認められない外国人留学生にとって、一番難しい証明になります。

「家族滞在」の申請方法

「家族滞在」の必要書類(法務省HPより)

  1. 在留資格認定証明書
  2. 証明写真
  3. 返信用封筒
  4. 次のいずれかで、申請人と扶養者との身分関係を証する文章
  5. 扶養者の在留カード、パスポートの写し
  6. 扶養者の職業及び収入を証する文書

「家族滞在」で日本に呼び寄せることができる家族は配偶者と子どもだけです。親を呼び寄せることはできません。「4.次のいずれかで、申請人と扶養者との身分関係を証する文章」とは、戸籍謄本・結婚証明書・出産証明書などです。外国人留学生は少ないですが、日本で婚姻届を提出していると翻訳や認証の手間が省けて簡単かもしれません。

外国人留学生の一番のネックは「6.扶養者の職業及び収入を証する文書」です。課税証明書を取り寄せ1年間の収入を証明します。また銀行通帳を提出し、収入が途切れても数カ月は安心して生活できることを説明します。
タイ人の妻の「日本人配偶者等」を申請するとき、私は無職でしたが貯金額を提出することで許可を得ました。

それでも外国人留学生は年収が150万円前後しかありませんので(これ以上はオーバーワークとみなされる可能性が高い)、配偶者が来日後アルバイトをすることを説明します。2馬力の収入が入ることの説明です。

寮に住んでいる場合は、家族と一緒に住む住居の説明が必要になるかもしれません。子どもを呼び寄せる場合は子どもの保育園・幼稚園の預け先、進学先の説明を求められるかもしれません。

日本で家族と一緒に住むために

外国人留学生にとって(日本で働く外国人の方にとっても)、家族を日本に呼び寄せるとメリットがあります。メリット以上に、家族と一緒に住みたい、それだけです。
しかし日本で安定して生活する証明、ウソの結婚でないことの証明は大変苦労します。学校の先生も留学生を助けることが難しいかもしれません。
そのようなときは行政書士にご依頼ください。