ファッションデザインの専門学校を卒業する外国人留学生からアパレル会社の生産管理部門で働くので在留資格を「技術・人文知識・国際業務」に変更したい、とご依頼をいただきました。

ファッションデザインの専門学校を卒業し、アパレル業界で働く場合の許可事例・不許可事例は出入国在留管理局のホームページにまとめられています。

こちらのブログにも書きましたのでご覧ください。

ファッションデザインの専門学校を卒業しても単純作業ができないのはほかの職種と同じです。専門学校で勉強をした専門知識が役に立つ業務内容でなければ「技術・人文知識・国際業務」の許可は取れません。

では、生産管理はファッションデザインの専門学校で勉強した専門知識が役に立つのでしょうか?

一般的に生産管理の業務だと倉庫内の業務=商品の数量の管理、発注業務だと考えられます。これなら管理業務(マネジメント)としてビジネスの専門学校や大学で経営学を勉強した留学生なら許可が取れるかもしれません。しかし、ファッションデザインの専門知識は役に立ちません。

まだ商品の数量の管理、発注業務ならいいのですが、倉庫内の仕分け、品出しなどの単純作業ではどこの大学で勉強していても「技術・人文知識・国際業務」の許可は取れません。

「技術・人文知識・国際業務」の許可を取るためには、ファッションデザインの専門学校で勉強したことと業務内容がマッチングしていることを説明できなければいけません。

ファッションデザインの専門知識と生産管理

生産管理といってもいろいろな業務があります。たとえば外国の工場から送られてきた商品の検品は仕様書を読める専門知識が必要です。検品をするときの注意点を企画部門と打ち合わせするときにも専門知識が必要です。

しかし専門知識が必要な業務があるだけでは許可は取れません。その業務が安定・継続してあることを説明します。業務が少なければ、空いている時間にほかの業務=単純作業をするのではないかと出入国在留管理局の審査官は考えるからです。

そのため1日のスケジュール、1週間のスケジュールを提出します。さらに業務マニュアルを提出することで申請人の業務について詳しく説明することができました。

会社は外国の工場といくつも提携していましたので、申請人が通訳・翻訳業務もできることは業務量の説明にプラスになったと思われます。

数年前まで外国人留学生は飲食店に就職していました。外国への店舗進出、店舗管理などのマネジメント業務で「技術・人文知識・国際業務」の許可が取れていたのです。(「特定技能」ができてから許可が難しくなっているようですが)

飲食店でマネジメント業務があることの証明として、出入国在留管理局からよく店舗の平面図や申請人の作業机の写真を提出するように指示がありました。デスクワークをするならそのスペースがあるはずだ、逆にいえば作業机がなければキッチンやホールで働くのではないか、ということです。

今回の申請でも事務所の平面図、座席表、作業机の写真を追加資料で求められました。出入国在留管理局は申請人が倉庫で働くのではないか、倉庫内で仕入れや品出しなどの単純作業をするのではないか、と疑っていたことがわかります。

すでに会社は申請人の作業机をご用意されていましたので、すぐに追加資料を提出することができました。

まとめ

今回の申請で、「技術・人文知識・国際業務」で許可を取るためには職種(デザイナーやコーディネーター)ではなく、また部門の名称(企画部、商品開発部)ではなく、業務内容がどれほど学校で勉強したこととマッチングしているかが大切なことだとわかりました。

生産管理であっても、ファッションデザインの専門知識が役に立つ業務内容であれば在留資格の許可は取れます。

生産管理で専門知識をいかし、会社の商品を勉強することで将来は企画や商品開発のお仕事ができるようになるかもしれません。

日本のアパレル業界で働きたい留学生はたくさんいます。しかし学校を卒業してすぐにデザイナーやコーディネーターになれる留学生は多くありません。今は生産管理など創作活動ができない仕事でも、ひとつのステップとして日本のアパレル業界で働くことができます。

今回は夢の準備段階として在留資格の許可を取ることができました。

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