来年度の国家予算が発表されました。その中で特に目を引いたのが「外国人共生センター(仮称)」の設置です。

”新しい活力を日本全土へ”と題された「外国人共生センター(仮称)」の役割と外国人留学生の就職活動を見ていきます。

「外国人共生センター(仮称)」 の役割

「外国人共生センター(仮称)」 は、日本で働く外国人が今後さらに増えることが予想されるため、さまざまな支援を1か所で受けられるように、ハローワークや出入国在留管理庁などの関係部署を集約させた「外国人共生センター」を、来年度中に新宿区四谷に設けることになりました。 (NHKニュースより)

関係部署とは
・法務省
 出入国管理庁、東京法務局人権擁護部、法テラス外国人部門
・厚生労働省
 ハローワーク、東京労働局
・経済産業省
 日本貿易振興機構
・外務省
 査証相談窓口
です。

さらに地方雇用の促進とインバウンド対策を行っていきます。

スタートは東京だけですが、すべての相談窓口がひとつにまとまることは利便性が高まり良いことです。

ではどのように「外国人共生センター(仮称)」を利用するのか、政府が提示したモデルケースを見ていきます。

「外国人共生センター(仮称)」を利用する留学生Aさん

留学生Aさんは
・日本語を学ぶために留学予定で
・留学中、家族を日本に呼びたい
・将来は日本で働きたい
・でも文化の違う日本の生活が不安
・ひょっとしたら、将来は東京以外の街で働くことも考えている

都合のいい留学生かもしれませんが、これが留学生Aさんの気持ちです。

1.まず、留学生Aさんは日本の学校に留学します。留学先の学校は、「外国人共生センター(仮称)」でAさんの受入相談をします。(法務・留学生受入れ相談窓口)

2.無事日本の学校に入学できた留学生Aさんは在学中に家族を日本に呼びたいと思いました。家族を日本に呼ぶときは観光ビザが必要です。ビザ=査証相談を「外国人共生センター(仮称)」します。(外務・査証相談窓口)

3.日本の学校も無事に卒業できそうです。日本で働きたい留学生Aさんは、インターンシップに参加をして就職先を探します。就職の相談も「外国人共生センター(仮称)」です。(国際連携窓口、厚労・マッチング拠点など)

4.日本でバリバリ働き始めた留学生Aさんですが、都会を離れて地方に転職をしたいと考えています。そんなときも「外国人共生センター(仮称)」に相談します。(JETRO・国際連携窓口など)

また日本に滞在中は日本文化交流に参加をして日本文化の勉強ができます。
生活する上でトラブルに巻き込まれたときは、法テラスが、差別を受けたときは法務・人権相談窓口が対応をしてくれます。

まとめ

留学生Aさんのモデルケースを見ると、「外国人共生センター(仮称)」ができることでどこに相談すればいいのか悩むことがなくなり、とてもわかりやすくなります。(最後に地方に転職することは置いておいて)

しかし就職方法が変わっていくことがわかります。「外国人共生センター(仮称)」を上手に利用しないと情報が手に入らず出遅れてしまいます。

来年度から日本人学生の就職も大幅に変更されます。外国人留学生も気をつけなければいけません。